製造

LIFO在庫管理が生産に与える影響を検証する

概要

製造業や物流業では在庫管理の方法として、

  • FIFO(First In First Out:先入れ先出し)
  • LIFO(Last In First Out:先入れ後出し)

という考え方が用いられています。

FIFOは古く入荷したものから順番に使用する方式であり、食品や医薬品など品質管理が重要な現場で広く採用されています。これに対してLIFO(Last In First Out)は、「最後に入荷したものから先に使用する」在庫管理方式です。例えば、

  • 積み重ね保管された資材
  • 屋外保管される鋼材
  • パレット単位で積み上げられた部品
  • 限られたスペースで運用される倉庫

などでは、物理的な取り出しやすさからLIFOに近い運用になることがあります。また、生産現場では日々の入荷量が変動することが珍しくありません。そのため、

  • 入荷が多い日は在庫を積み上げる
  • 入荷が少ない日は在庫を取り崩す

という運用が必要になります。

今回はassimeeを使ってLIFOによる在庫管理を再現し、入荷量が変動する環境において、生産計画がどのように成立するのかを確認してみます。

モデル

今回用意したモデルは以下の図の通りで、変動する部品の入荷量に対して一定目標に従って製品を生産する工場を想定しています。

モデルの構成

生産ラインは単純化されており、

  • 部品の入荷
  • 在庫保管
  • 製品生産
  • 出荷

という構成になっています。特徴は、「毎日の部品の入荷量が変動する」ことです。

生産目標

今回の工場では、1日あたり16個の生産を目標としています。したがって、

  • 部品の入荷量が16個を超える日は余剰分を在庫化
  • 部品の入荷量が16個未満の日は在庫を使用

して生産目標を維持します。なお、生産目標はかんばんで管理しています。

入荷条件

今回のシミュレーションでは、3日間の操業を想定します。各日の入荷量は以下の通りです。

日数部品入荷量
1日目18個
2日目20個
3日目12個

一方、生産目標は毎日16個で固定です。

LIFO在庫管理

今回のモデルではLIFO方式を採用しています。そのため、「使われなかった部品は在庫に積み上げ、前日に積み上げた在庫よりも、当日に新しく入荷した部品を優先して使用」という運用になります。assimeeでは置き場や情報制御を組み合わせることで、このような在庫の取り出し順序も再現することが可能です。

シミュレーション結果

今回は3日間の操業に相当する1440分(8時間 × 3日)をシミュレーション時間として設定しました。
シミュレーション結果は以下の通りです。

1日目

1日目の部品の入荷量は18個です。製品の生産目標は16個のため、余剰の2個を在庫として保管します。

2日目

2日目は部品が20個入荷します。製品の生産目標16個を超えるため、さらに余剰4個が在庫となります。

3日目

3日目は部品が12個しか入荷しません。目標の16個の製品を生産するためには、不足する4個を在庫から補充する必要があります。

その結果、

  • 生産目標16個を維持
  • 在庫を取り崩して不足分を補填

する動作が確認できます。

ステータス推移の確認

ステータス推移や在庫の推移は以下の通りです。

これを見ると、

  • 入荷量が多い日に在庫が積み上がる
  • 入荷量が少ない日に在庫が取り崩される
  • 生産量が一定に保たれる

様子を確認することができます。また、

  • 在庫量の推移
  • ライン稼働率
  • 生産数

などを合わせて確認することで、現在の在庫設定が適切かどうかを判断できます。

LIFO管理をシミュレーションする意義

現実の現場では、

  • 入荷量の変動
  • 出荷量の変動
  • 保管スペースの制約

などが常に発生しています。そのため、単純に「必要数だけ作る」だけではなく、「どのように在庫を積み上げ、どのタイミングで取り崩すか」を考える必要があります。特にLIFO管理を採用する現場では、

  • 古い在庫の滞留
  • 保管期間の長期化
  • 在庫量の偏り

といった問題も発生しやすくなります。シミュレーションによって事前に確認することで、

  • 適切な在庫量
  • 適切な保管容量
  • 生産目標とのバランス

を検討することができます。

まとめ

assimeeを利用することで、

  • FIFO(先入れ先出し)
  • LIFO(先入れ後出し)

といった在庫管理方式を再現しながら、生産計画を検証することが可能です。今回のモデルでは、

  • 入荷量が日々変動する
  • 生産目標は一定
  • 在庫を積み上げたり取り崩したりする

という現場でよく見られる状況を再現しました。実際の現場ではさらに、

  • 複数品目の在庫管理
  • 保管容量の制限
  • ロット単位の入出庫
  • 季節変動や需要変動

など複雑な条件が存在しますが、assimeeではこれらも柔軟にモデル化できます。在庫管理は生産効率やキャッシュフローに大きな影響を与える重要な要素です。シミュレーションを活用することで、より現実的で効果的な生産計画を立案することができます。

assimeeでは、実際の製造プロセスをモデル化し、シミュレーションすることで、プロセスの見える化や潜在的な課題の洗い出しを行うことができます。製造プロセスのデジタル化や課題解決でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。

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