製造

シミュレーションで作業員の手持ちを減らすシフトを作成する

製造現場や物流現場では、作業員のシフトと製品の入荷タイミングによって稼働率が大きく変化することがあります。
例えば、

  • 作業員は出勤しているが加工対象がなく待機している
  • 前工程は忙しいが後工程は手待ちになっている
  • 夜勤帯だけ仕事が集中している
  • シフト交代のタイミングで作業が途切れている

といった状況です。
このような現場では、「実際にはどれだけの工数が余っているのか」あるいは「あとどれだけ工数があれば処理できるのか」を把握したい場面があります。
しかし、実際の作業においては製品ごとに処理時間が異なり、さらに待機時間や仕掛品の滞留なども発生するため、単純な計算だけで評価することは困難です。

そこで今回は、assimeeを使って作業を必要工数へ分解し、作業員の持つ工数を割り当てることで現場を再現するモデルを作成します。これにより、余剰工数や不足工数を時間ごとに可視化し、シフトや入荷タイミングの改善に活用する方法を解説します。

モデル

今回用意したモデルは、前加工と後加工の2段階からなる生産ラインです。

ライン構成

入荷した製品は、

  1. 前加工
  2. 24時間の待機
  3. 後加工
  4. 出荷

という流れで処理されます。前加工と後加工では異なる作業員が担当します。使用するモデルは数の通りです。

作業員構成

今回のモデルには前加工ラインが2本、後加工ラインが1本あり、それぞれを担当する3名の作業員グループが存在します。担当は以下のとおりです。

作業員グループA

  • 前加工で製品A専任

作業員グループB

  • 前加工で製品B専任

作業員グループC

  • 後加工で製品A・B両方を担当

シフト条件

各作業員グループにはシフトが設定されています。今回は3つの作業員グループは共通で

  • 日勤:8時~16時
  • 夜勤:24時~8時

この条件のもとで工数を投入し、生産を行っている設定です。

製品条件

今回扱う製品は2種類です。

製品A

  • 前加工時間:24時間
  • 待機時間:24時間
  • 後加工時間:5時間

製品B

  • 前加工時間:36時間
  • 待機時間:24時間
  • 後加工時間:10時間

前加工後に長時間の待機工程が存在するため、前工程と後工程の負荷が時間的にずれて発生します。

工数によるモデル化

今回のモデルの特徴は、作業そのものではなく、「必要な工数」として処理を表現することです。
例えば、

  • 1時間の作業 = 1工数
  • 作業員が1時間勤務 = 1工数

として扱います。これにより、

  • 利用可能工数
  • 実際に消費した工数
  • 余剰工数
  • 不足工数

を直接比較できるようになります。

シミュレーション結果

今回はシミュレーション時間は月曜日から金曜日の作業に対応する120時間、サンプリング時間はシフトに対する工数の推移を確認しやすいように、8時間として、シミュレーションを行いました。

工数投入と余っている工数の状況

今回のモデルでは、製品Aと製品Bがそれぞれ担当作業員によって処理されます。シフト開始に応じて作業も投入されるため、想定通り、比較的安定して工数が消費されていることが確認できます。

一方で後加工では、前加工後に24時間の待機時間が存在するため、投入される工数が時間的に後ろへ偏ります。その結果、作業員グループCには出勤していても処理対象が存在せず、工数が大きく余る時間帯が発生します。

改善の検討

今回の結果から、以下のような改善案を検討できます。

改善案1 シフト時間を変更する

作業員グループCの勤務時間を変更し、実際に製品が到着する時間帯に合わせます。例えば、今回のシミュレーションの終了時点で製品AとBの仕掛かり品が多く存在するため、仕掛かり品の後加工に合わせて、作業員グループCの勤務時間を2日後ろへずらすことなどが考えられます。

改善案2 作業員を兼任化する

作業員グループCの余剰工数で別工程も担当させられないか検討します。場合によっては、前加工のグループが後加工も担当することでの作業グループを配置する必要がない可能性もあります。

工数分解による分析のメリット

今回のケースのように工数としてモデル化することで、単なる生産数だけでは見えない、

  • 人の余力
  • 人の不足
  • シフトの無駄
  • 工数の偏り

を把握できるようになります。特に、

  • 長い待機工程
  • 熟成工程
  • 検査待ち

などが存在する現場では非常に有効です。

まとめ

今回のモデルでは、前加工と後加工の間に長時間の待機工程を設けることで、実際の現場で発生しやすい工数の偏りを再現しました。シミュレーション結果からは、後加工担当の作業員グループに余剰工数が発生していることが確認でき、シフトや入荷タイミングの改善余地があることが分かりました。

assimeeでは、作業を工数に分解してモデル化することで、

  • 作業員の余剰工数
  • 不足工数
  • シフトの適切性
  • 入荷タイミングの影響

を詳細に分析することができます。これにより、単なる生産能力の評価だけではなく、人員配置やシフト設計まで含めた現実的な生産計画をシミュレーションを使って検討することが可能です。

assimeeでは、実際の製造プロセスをモデル化し、シミュレーションすることで、プロセスの見える化や潜在的な課題の洗い出しを行うことができます。製造プロセスのデジタル化や課題解決でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。

関連記事

TOP