PDC型物流倉庫を再現したモデル作成の解説

ー概要ー

物流倉庫モデル作成の3回目にあたる今回の記事ではPDC型物流倉庫を再現したモデルを作成します。

ーPDC(プロセスディストリビューションセンター)型物流倉庫のモデル作成ー

PDCでは倉庫内で行われる作業のプロセスが追加されるため、前回作成したDCよりも更に大きなモデルとなります。今回は販売用機器のクリーニングと再発送を考えて以下のようなプロセスを想定します。

入庫(仕分け)まで:
入荷→置き場→デバンニング(分解)→置き場→検品→置き場→運搬→入庫(分岐)で3つのルートへ分岐
倉庫内:
(3つのルートそれぞれで)置き場→加工(初期化など)→置き場→検品→置き場→運搬
ピッキングで出庫:
3つのルートからピッキング(組立)→置き場→キッティング(加工)→置き場→バン二ング(組立)→分岐で3方向へ再度分岐
配送先別へ分岐:
置き場→運搬→出荷

完成すれば下図のように23のプロセスからなる大きなモデルとなります。

モデルの作成

今回も分岐プロセスを利用するため「図から作成する」を使ってモデルを作成していきます。

プロセスの配置

今回もDCと同様にピッキング(組立)までとピッキング(組立)以降の2段階に分けて配置を行います。

1.ピッキング(組立)まで:

入荷→置き場→分解→置き場→検品→置き場→置き場→運搬→分岐の順に配置します。配置後に上流側から編集しながら倉庫内の分岐を作成します。

入荷プロセス:
パーツ名を「コンテナ」へ変更、発生間隔を「1分」、個数を「1個」と設定

置き場プロセス:
プロセス名を「コンテナ置き場」へ変更、容量を「100個」と設定

分解プロセス:
プロセス名を「デバンニング」へ、処理時間を「1分」、作業人数を「30人」と設定
対象パーツの名前を「コンテナ」へ変更、個数は「1個」と設定
出力パーツを設定を追加ボタンを使って3つへ増やし
1.パーツ名を「返送済パソコン」へ、個数を「9個」と設定
2.パーツ名を「返送済タブレット」へ、個数を「9個」と設定
3.パーツ名を「返送済鞄」へ、個数を「9個」と設定

置き場プロセス:
プロセス名を「返送品置き場」へ変更、容量を「500個」と設定

検品プロセス:
処理時間を「1分」、作業人数を「50人」と設定

置き場プロセス:
プロセス名を「検品済置き場」へ変更、容量を「500個」と設定

運搬プロセス(人):
積荷容量を「100個」、運搬人数を「30人」と設定

分岐プロセス:*条件設定についてのより詳細な解説はTCの記事をご覧ください

プロセス名を「入庫」へ変更、処理時間を「1分」、作業人数を「100人」と設定

分岐後のプロセスを先に配置:
下図のように分岐プロセス後のルートを3つに分けてそれぞれ、置き場→加工→置き場→検品→置き場→運搬の順に配置、図にはないですが、組立プロセスを一番後ろに配置

分岐後の置き場プロセス:
プロセス名をそれぞれ「パソコン置き場」、「タブレット置き場」、「鞄置き場」へ、置き場の容量を「100個」と設定

分岐条件:
詳細画面の「その他の処理」の右側のマークをクリックして編集画面を立ち上げ、それぞれの置き場を送り先として以下の3つの条件を追加

分岐A(パソコン):
・送り先:パソコン置き場、分岐条件:パーツ名が一致、パーツ名:返送済パソコン
分岐B(タブレット):
・送り先:タブレット置き場、分岐条件:パーツ名が一致、パーツ名:返送済タブレット
分岐C(鞄):
・送り先:鞄置き場、分岐条件:パーツ名が一致、パーツ名:返送済鞄

分岐後のプロセスの設定:

AからC、それぞれの分岐したプロセスを設定していきます。

分岐A(パソコン)

分岐A:置き場プロセス:プロセス名を「パソコン置き場」へ変更、容量を「100個」と設定

分岐A:加工プロセス:プロセス名を「初期化」へ変更、処理時間を「1分」、作業人数を「10人」と設定、
対象パーツ名を「返送済パソコン」、個数を「3個」、
出力パーツ名を「初期化済パソコン」、個数を「3個」と設定

分岐A:置き場プロセス:プロセス名を「初期化済パソコン置き場」へ変更、容量を「100個」と設定

分岐A:検品プロセス:
プロセス名を「動作確認」へ変更、処理時間を「1分」、作業人数を「10人」と設定

分岐A:置き場プロセス:プロセス名を「動作確認済パソコン置き場」へ変更、容量を「100個」と設定

分岐A:分岐後の運搬プロセス(人):
積荷容量を「20個」、処理時間を「1分」、作業人数を「10人」と設定

分岐B(タブレット)

分岐B:置き場プロセス:プロセス名を「タブレット置き場」へ変更、容量を「100個」と設定

分岐B:加工プロセス:
プロセス名を「初期化」へ変更、処理時間を「1分」、作業人数を「10人」と設定、
対象パーツ名を「返送済タブレット」、個数を「3個」、
出力パーツ名を「初期化済タブレット」、個数を「3個」と設定

分岐B:置き場プロセス:プロセス名を「初期化済タブレット置き場」へ変更、容量を「100個」と設定

分岐B:検品プロセス:プロセス名を「動作確認」へ変更、処理時間を「1分」、作業人数を「10人」と設定

分岐B:置き場プロセス:プロセス名を「動作確認済タブレット置き場」へ変更、容量を「100個」と設定

分岐B:分岐後の運搬プロセス(人):
積荷容量を「20個」、処理時間を「1分」、作業人数を「10人」と設定

分岐C(鞄)

分岐C:置き場プロセス:プロセス名を「鞄置き場」へ変更、容量を「500個」と設定

分岐C:加工プロセス:
プロセス名を「クリーニング」へ変更、処理時間を「1分」、作業人数を「10人」と設定、
対象パーツ名を「返送済鞄」、個数を「3個」、
出力パーツ名を「クリーニング済鞄」、個数を「3個」と設定

分岐C:置き場プロセス:プロセス名を「清掃済鞄置き場」へ変更、容量を「500個」へ変更

分岐C:検品プロセス:
プロセス名を「内容物確認」へ変更、処理時間を「1分」、作業人数を「10人」と設定

分岐C:置き場プロセス:プロセス名を「確認済鞄置き場」へ変更、容量を「100個」と設定

分岐C:分岐後の運搬プロセス(人):
積荷容量を「20個」、作業人数を「10人」と設定

合流プロセス:
分岐B(タブレット)と分岐C(鞄)の運搬プロセスからピッキング(組立)へ「既プロセスへ接続」を使って接続

組立プロセス:
プロセス名を「ピッキング」へ変更、処理時間を「1分」、作業人数を「60人」と設定対象パーツを3つに増やしそれぞれ
・1つ目:名前を「初期化済パソコン」、個数を「1個」、
・2つ目:名前を「初期化済タブレット」、個数を「1個」、
・3つ目:名前を「クリーニング済鞄」、個数を「1個」と設定、出力パーツを名前を「カラコン」、個数を「1個」と設定
と設定

以上の設定を行った後の編集画面は以下の様になります。対象パーツに選択肢が出ない場合、分岐したプロセスがピッキングへ接続されていないのでその場合は接続されているかを再度確認してください。

2.ピッキング(組立)以降:
続いて、組立→置き場→加工→置き場→組立→分岐→置き場→運搬→出荷の順にプロセスを配置します。こちらも上流側から編集を行いながら分岐と出荷までを作成していきます。

置き場プロセス:
プロセス名を「カラコン置き場」へ変更、積荷容量を「500個」と設定

加工プロセス:
プロセス名を「キッティング」へ変更、処理時間を「1分」、作業人数を「60人」と設定
対象パーツ名を「カラコン」へ、個数を「3個」と設定
出力パーツを3つへ増やし、それぞれ「X支社用キット」、「Y支社用キット」、「Z支社用キット」、個数は「1個」と設定

置き場プロセス:
プロセス名を「キッティング済出荷品置き場」へ変更、積荷容量を「1000個」と設定

組立プロセス:
プロセス名を「バンニング」へ変更、処理時間を「1分」、作業人数を「60人」と設定

上図の様に設定画面の下段詳細設定から出力パーツを3つへ増やし、それぞれ
・1つ目、対象パーツの名称を「X支社用キット」個数を「9個」、出力パーツの名称を「X支社行きコンテナ」個数を「1個」と設定
・2つ目、対象パーツの名称を「Y支社用キット」個数を「9個」、出力パーツの名称を「Y支社行きコンテナ」個数を「1個」と設定
・3つ目、対象パーツの名称を「Z支社用キット」個数を「9個」、出力パーツの名称を「Z支社行きコンテナ」個数を「1個」と設定

分岐プロセス:
プロセス名を「行先仕分け」へ変更、処理時間を「1分」、作業人数を「60人」と設定

分岐後のプロセスの配置:
ルートを3つに分けてそれぞれ、置き場→運搬→出荷の順に配置

置き場プロセス:
3つの置き場プロセス名をそれぞれ「置き場(X支社行き)」、「置き場(Y支社行き)」、「置き場(Z支社行き)」へ変更、置き場の容量を「100個」と設定

運搬(ローラーコンベア)プロセスと出荷プロセス:
変更なし

分岐条件:
先ほどと同様に詳細画面からその他の処理の右側のマークをクリックして編集画面を立ち上げ、置き場(X支社行き)、置き場(Y支社行き)、置き場(Z支社行き)の3か所を送り先として以下の3つの条件を追加

分岐先X:
・置き場(X支社行き)、分岐条件:パーツ名が一致、パーツ名:X支社行きコンテナ
分岐先Y:
・置き場(Y支社行き)、分岐条件:パーツ名が一致、パーツ名:Y支社行きコンテナ
分岐先Z:
・置き場(Z支社行き)、分岐条件:パーツ名が一致、パーツ名:Z支社行きコンテナ

以上の編集が終了したら、最後にモデル名をモデルPDCへ変更した後で「シミュレーションモデルを保存」ボタンを押してモデルを保存します。

シミュレーション

モデルを保存したらPDCのモデルは完成となるので、シミュレーションタブへ移動し、シミュレーションを実行ボタンを押してモデルが動作するか確認を行います。今回はシミュレーション時間を480分にして実行してみましょう。シミュレーションの結果として以下のような画面が表示されれば、モデルは完成です。シミュレーションが動作しない場合は、再度編集画面に入り上流から設定を見直してください。

ーまとめと次回ー

物流倉庫モデル作成の3回目は、PDC型物流倉庫を再現したモデルを作成しシミュレーションを行いました。分岐(入庫)後に初期化などの加工プロセスが入り、DC型のモデルと比べて大規模なモデルとなりました。物流倉庫モデル作成の最終回となる次回の記事ではFC型物流倉庫のモデルを作成します。ご期待ください。

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