郵便業務をシミュレートする方法の解説

概要

この記事では大規模モデルと長時間のシミュレーションの作成例について解説します。使用するモデルは郵便業務を想定しており、投函から配達までのプロセスをモデル化しています。モデルの中で収集された郵便物は比較的短距離の地域内の輸送だけでなく、長距離の拠点間輸送を行った上で配達される想定となっています。

モデルの作成

完成したモデルは以下のようになります。

モデルの想定

  • 投函(入荷)
  • 投函後に収集される
  • 収集後、行先別に差立てて輸送
  • 地域区分局へトラック輸送後、別の地域区分局からの配達とより小さい集配局からの配達へ分岐
    長距離輸送と短距離輸送の輸送ルートをそれぞれに用意
  • 仕分け後、複数のルートで配達
    複数の配達先を想定してとりあえずそれぞれ2か所の配達ルートを用意
  • シミュレーション開始時に初期仕掛(作業開始時の未配達の郵便に相当)を各所に配置
  • 前日の集配分を想定し初期仕掛の設定

以上のような条件を想定してモデルを作成します。

シミュレーションと分析

モデルを作成したら、シミュレーションの準備を行います。今回は1週間のうち平日の業務が行われる5日に相当する7200分間の設定でシミュレーションを行ってみます。このような長時間のシミュレーションでも短時間で実行することが可能です。シミュレーションが終わると以下のようにダッシュボードで情報を表示して確認することが出来ます。

上の図では短距離郵便に相当する消印付郵便物EとF、長距離輸送に相当するAからDまでがそれぞれ配達されていることが分かります。輸送時間の問題で短距離郵便のEとFが他より多くなっていますが。また、左上を見ると配送が行われない部分がありますが、これは1日に収集する回数(入荷)を3回に限っているからです。一方で配達の方は1時間に1回という想定で行われていますが、こちらはXX時に配達といった設定が行われていないのは注意してください。
今回のシミュレーションを対象に、ボトルネックが存在しているかどうかを分析してみましょう。

以下の図が、今回のシミュレーションにおける各プロセスのステータス推移図の一覧となります。

上記の図で赤(ブロック状態=ボトルネック)となっている部分がいくつかあります。この内、各配達プロセス(特に082配達や086配達)については今回のモデルの性質上、郵便物がまとまって到着するため、やむを得ない部分があります。一方で、比較的長い時間にわたって長時間の間ブロック状態が頻発しているのは、荷物があふれていることを示しており、好ましくない状態(残業が発生したり、翌日に持ち越しになるなどが発生する)なので、人員の増加を検討する必要があります。同様に、019仕分についても荷物の集中でブロック状態が頻発しているので、処理能力を増加させる必要があることが分かります。このようにassimeeのシミュレーションを行うことで、ボトルネックとなっている部分を洗い出すことが容易にできます。

まとめ

今回は郵便業務を想定した大規模なモデルを作成し、長時間のシミュレーションを行いました。その上でボトルネックを探索しています。assimeeでは簡単な操作によるモデル作成と、パラメーター設定により、業務プロセスを容易にシミュレーションすることが可能です。今回行ったような5日間と比較的長い期間のシミュレーションであっても短時間で気軽に実行可能で、繰り返し行うことが出来るため、業務改善に非常に役立ちます。

assimeeでは、実際の製造プロセスをモデル化し、シミュレーションすることで、プロセスの見える化や潜在的な課題の洗い出しを行うことができます。製造プロセスのデジタル化や課題解決でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。

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