概要
物流・製造現場では、設備の故障や部品交換(段取り替え)による停止を避けるために、同一ラインを複数用意して切り替えながら運用することがあります。いわゆるラインの冗長化(複数系統化)をしておくことで、稼働ラインを柔軟に切り替えながら生産を維持できます。
しかし、実際に運用するうえでは以下の課題が発生します。
- どのタイミングでラインを切り替えるか
- 切替時に部品供給をどのように制御するか
- 交換時間中の在庫・仕掛の扱いをどうするか
- 切替頻度が生産量に与える影響はどの程度か
これらを現場で試行錯誤するのは難しいため、事前にシミュレーションを使って検証することが非常に有効です。
本記事では、assimeeの情報機能を使って、2本の生産ラインを切り替えるモデルを構築し、停止時間を最小化する運用を再現・評価する方法を解説します。
モデル
今回のモデルは、同一仕様の生産ラインを2本(ラインA/ラインB)用意し、交互に稼働させる構成です。モデルは以下の通りとなります。

基本構成
- ラインAとラインBは同じレイアウト・同じ処理能力
- どちらも単独で製品を生産可能
- 部品は共通の上流から供給
稼働条件
- 各ラインは120分稼働すると部品交換が必要
- 部品交換には100分を要し、その間は当該ラインは停止
- 生産停止を回避するため、交換時はもう一方のラインへ生産を切替
切替ロジック(情報連動)
assimeeの情報機能を用いて、以下の制御を実装します。
- 交換トリガーの発火
稼働時間が120分に達した時点で、対象ラインから「交換開始」情報を発信 - 供給の切替
- 交換対象ラインへの部品供給を停止
- 代替ラインへの部品供給を開始
- 復帰制御
交換が完了したラインが復帰可能になった場合、
もう一方のラインで交換が発生するまでは待機し、交換発生時に再び供給を戻す
このように、イベント(情報)に応じて供給先を動的に切り替えることで、ライン停止の影響を最小化します。
シミュレーション結果
シミュレーション時間を480分(8時間)に設定して実行し、ステータス推移を確認しました。


考察
- 120分ごとにラインが交互に切り替わることを確認
- 片側ラインが交換中でも、もう一方が稼働するため、生産が途切れない
- 全体として、連続生産に近い安定した稼働が実現されている
この結果から、適切な切替ロジックを設計することで、長時間の交換作業があっても実質的な停止時間をほぼゼロにできることが分かります。
まとめ
assimeeを活用することで、
- ラインの冗長化(2本運用)の再現
- 部品交換に伴う停止の影響評価
- 情報連動による動的な供給切替制御の実装
- 切替周期や交換時間の違いによる生産量の比較
といった検証を、シミュレーション上で簡単に行うことができます。
今回のモデルはシンプルな2ライン構成でしたが、assimeeでは以下のような複雑な条件が加わった場合でも現場に即した生産計画の検証を行うことができます。
- 3ライン以上の切替(N+1冗長)
- 製品切替(品種替え)と組み合わせた運用
- 切替時の在庫バッファ設計
- 交換作業の人員・時間のばらつき
- 故障発生との併用シナリオ
ラインの冗長化は停止リスクを下げる有効な手段ですが、設計を誤ると逆に供給の乱れや在庫の偏りを引き起こします。シミュレーションを活用し、最適な切替タイミングや運用ルールを事前に検証することが重要です。
assimeeでは、実際の製造プロセスをモデル化し、シミュレーションすることで、プロセスの見える化や潜在的な課題の洗い出しを行うことができます。製造プロセスのデジタル化や課題解決でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。