一定間隔での材料供給を再現する

概要

製造工程では、使用した部品を途切れることなく補充し続けることが求められます。この記事では、一定数の材料を使用したタイミングで、同じ数の材料を補充する仕組みをモデル化します。
サンプルとして、食品工場における弁当の惣菜追加工程を再現します。ここでは、材料(惣菜)を一定数使用するたびに、必要な補充量を記載したカンバン(指示票)を発行し、ストックから補充を行う仕組みを表現しています。

モデル

今回作成するモデル工場の運用条件は以下の通りです。

  • とんかつ弁当を1分間に5個生産します。
  • とんかつ弁当は、弁当箱、ご飯、野菜、とんかつをそれぞれ1個ずつ組み合わせて作ります。
  • 材料の補充タイミングは次の通りです:
     ご飯は100個使用ごと、
     野菜は250個使用ごと、
     とんかつは50個使用ごとにストックから補充します。
  • 補充作業には5分かかるものとします。

今回作成したモデルは以下のようになります。

作成したモデルのポイントは以下の通りです。

  1. 惣菜を使用するたびに「処理」という情報を発行し、それをカウンターで記録します。
  2. 「処理」の数がそれぞれの補充の基準数(ご飯100個、野菜250個、とんかつ50個)に達した時点で、「補充指示」を発行します。
  3. 「補充指示」に従って、ストックから材料を補充します。
  4. 補充作業には、assimeeの段取り替えの仕組みを利用して補充時間(5分)を再現し、補充中は生産ラインを停止させる設定にしています。

シミュレーション

モデルの作成が終わったらシミュレーションを行います。シミュレーション時間は8時間の稼働に相当する480分に設定します。
シミュレーション結果は以下のようになります。

次にそれぞれの加工工程(003ご飯盛り付け、006野菜盛り付け、009とんかつ盛り付け)の前の置き場の在庫量を見てみましょう。きちんと設定できていれば、ノコギリの歯のように在庫が変動するはずです。

在庫が0になると補充が行われて、在庫量が回復していることがわかります。次にステータス推移を見てみましょう。

補充が行われている時、ご飯盛り付け、野菜盛り付け、とんかつ盛り付けはオレンジ色で表されており、補充が終わるまで生産が止まっていることがわかります。このように補充作業を再現することが出来ました。

まとめ

この記事では、一定数の生産後に材料を一定数補充するシステムをモデル化しました。このようにassimeeでは、製造現場や物流現場での作業を高い精度で再現しシミュレーションを行うことが可能です。さらに、パラメーターを変更することにより、条件を自由に変更しながらシミュレーションを繰り返すことができるます。これにより、仮想空間上でラインのレイアウトや運用方法の改善案、変更案を検討できるという大きなメリットがあります。

assimeeでは、実際の製造プロセスをモデル化し、シミュレーションすることで、プロセスの見える化や潜在的な課題の洗い出しを行うことができます。製造プロセスのデジタル化や課題解決でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。

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