ピースソーターの動作を再現する

概要

ピースソーターとは、ソーターと呼ばれる商品の自動仕分け機の一種のことです。手作業で行うと時間がかかる仕分け作業を自動化することで、物流倉庫の生産性向上、仕分けミスの削減による品質向上、作業員数の削減による人手不足の解消や人件費の削減が期待できます。
ソーターには、商品がコンベアーの上を移動するコンベアータイプと、商品を載せたロボットが移動するロボットタイプがあります。ロボットタイプは柔軟な運用が可能で、コンベアータイプは主に大型物流倉庫に導入されています。さらに、商品の運搬方法によって、以下のように分類されます。

  1. スライドシュー方式
    コンベアー上にスライドシューが出て、商品の方向を押し出して仕分けをする方法
  2. クロスベルト方式
    商品を運搬するトレイにもコンベアーが設置されており、コンベアーにより押し出す方法
  3. ポップアップ方式
    荷物の方向を変える機構が上にせりだす方式
  4. ターンテーブル方式
    コンベアー上にターンテーブルを設置し、任意の方向に送り出す方式
  5. プッシャー方式
    プッシャーが商品をコンベアーから押し出して仕分ける方式
  6. ダイバータ方式
    案内板がスイングすることで仕分けを行う方法
  7. チルトトレイ方式
    商品の載ったトレイを傾けることで仕分けを行う方法

今回の記事ではTDCのような物流倉庫を想定して、商品をピース単位で店舗向けの仕分けを行うピースソーターをassimeeを使って再現します。

参考情報(あいうえお順):
シモハナ物流株式会社様HP
株式会社ダイフク様HP
ホクショー株式会社様HP

モデル

今回作成したモデルは以下のようになります。

入荷した5つの商品を分岐させ、それぞれ5つの店舗に向けて仕分けを行うピースソーターの機能を再現したモデルです。仕分けられた商品は梱包後、最終的に5つの店舗へ出荷されます。また、分岐を増やすことで、対応可能な商品や行き先を容易に拡張できる仕組みになっています。

シミュレーション

モデルの作成が終了したら、2直シフトに相当する16時間(960分)をシミュレーション時間としてシミュレーションを行います。最初のシミュレーションでは商品の投入部分5箇所にそれぞれ作業員を1人ずつ配置するよう設定しました。シミュレーション結果を見ると商品投入の稼働率が全期間に渡って100%となっており、作業に余裕が全くないことがわかります。

処理に送り出し待ちが生じており、処理能力が足りないことがわかります。そこで、商品の投入部分の作業員を15人へ増員してシミュレーションをやり直してみましょう。この場合は作業が十分な余裕を持って終了しすることわかります。

まとめ

この記事では、物流の現場で広く使用されているピースソーターについて、モデルの作成からパラメーターを変更しながらシミュレーションを行う方法まで解説しました。assimeeでは、プログラムの知識がなくても直感的にさまざまなモデルを作成できます。また、モデルのパラメーターを簡単に変更できるため、人員配置などの動作条件を柔軟に調整しながら、稼働条件の検証を容易に行うことが可能です。

assimeeでは、実際の製造プロセスをモデル化し、シミュレーションすることで、プロセスの見える化や潜在的な課題の洗い出しを行うことができます。製造プロセスのデジタル化や課題解決でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。

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