排出権取引(ETS)とは、温室効果ガス(GHG)の排出量を市場メカニズムによって制限し、削減を促進する制度で「キャップ・アンド・トレード」とも呼ばれます。カーボンプライシングの内、数量アプローチと呼ばれ、企業ごとや国ごとに排出枠(キャップ)を設定し、その枠内でCO2排出を管理・売買する仕組みです。また、企業が排出枠を超えた場合、他の企業から余剰の排出枠(排出権)を購入することで規制を満たすことができます。一方で、削減努力によって排出量が枠内に収まった企業は、余った排出枠を売却し、収益を得ることができます。この市場原理を活用することで、経済的なインセンティブを与えながら効率的にGHG削減を推進することが可能となります。日本では、2026年から国内の排出権取引市場が本格導入される予定で、企業のカーボンニュートラル対応がより求められるようになります。ETSは、アメリカのカリフォルニア州やEUをはじめとする各国で既に導入されており、持続可能な経済成長と脱炭素社会の実現を目指す重要な政策手段となっています。
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