多台持ち

多台持ちとは、1人の作業者が複数の機械や装置を同時に担当・操作する生産方式を指します。製造業では、作業者1人が1台の機械に張りつく「一人一台」から脱却し、設備の自動化や工程の見直しを通じて、多台持ちを実現することで生産効率と人員稼働率の向上を図ります。例えば、複数のNC工作機械や射出成形機の操作を1人で管理し、各機械の自動運転中に他の作業を行うといった運用が可能になります。この方式は労働力不足への対応や人件費削減にも効果がありますが、一方で、仕掛かり品が多く発生したり、「一人一台」と比べて生産期間が長くなる、段取りやトラブル対応の負荷が増えるなどのデメリットが生じやすくなるため、機械の安定稼働やレイアウトの工夫、異常時対応の標準化などを行うことが重要です。