アンドン（あんどん）とは、製造現場で作業中の異常やトラブルを即座に知らせるための表示装置や仕組みを指します。もともとは日本の伝統的な照明器具「行灯（あんどん）」に由来し、現在ではランプ、音、モニター表示などを使って視覚・聴覚的に異常を知らせるシステムとして定着しています。作業者が異常を感知した際にボタンを押すと、上司や保全担当に即座に通知されます。失敗や異常発見を可視化し、迅速な対応を促すことで、不良の拡大や生産停止を防ぎます。トヨタ生産方式（TPS）でも重要な役割を果たしており、現場の「見える化」や「自働化（人の判断による機械の停止）」の一環とされています。アンドンの活用により、作業者の判断力が生かされ、現場の自律的な改善活動や品質向上が促進されます。近年では、IoTやデジタルサイネージと連携した高度なアンドンシステムも導入が進んでいます。
