物流

ミルクラン方式における最適なトラック台数を検討する

概要

物流現場では「ミルクラン方式」と呼ばれる搬送方法が広く採用されています。ミルクラン方式とは、1台のトラックが複数のサプライヤーを順番に巡回し、部品を回収して工場へ運搬する方式です。この名称は、かつて乳業会社のトラックが各酪農家を回って商品用の牛乳を回収を行っていたことに由来しています。

ミルクラン方式の特徴は以下の通りです。

  • 複数のサプライヤーから効率よく部品を回収できる
  • 積載率を高めることで輸送コストを削減できる
  • 定期巡回により安定した供給が可能

一方で、

  • トラック台数が少ないと部品供給が遅れる
  • 多すぎると空車運行が増えコストが上がる

といった課題があり、適切なトラック台数の設定が非常に重要になります。しかし、トラック台数は経験や過去の運用に基づいて決められることも多く、最適とは限りません。
assimeeを活用すれば、トラック台数を変化させた場合の搬送量をシミュレーションによって比較し、最適な台数を定量的材料から判断することが可能です。
本記事では、ミルクラン方式の簡易モデルを用いて、トラック台数の最適化を行う方法を解説します。

モデル

今回のモデルは、トラックが複数のサプライヤーを巡回して部品を回収するミルクラン輸送を再現したものです。

モデルの構成

  • トラックが6箇所のサプライヤーを順番に巡回
  • 各サプライヤーで部品を回収し、最終的に工場へ搬送
  • 部品は1種類のみ
  • 工場では部品を使って製品を生産

搬送条件

  • 積載単位:30個単位
  • トラック最大積載量:120個
  • トラックは満載・非満載に関わらず、固定ルートを巡回

今回はモデルをシンプルにするため、

  • 積載率の制約(最低積載率など)は設定しない
  • 常に巡回を継続する

という条件にしています。
完成したモデルは以下のようになります。

このモデルを用いて、トラック台数を何台にするのが最も効率的かをシミュレーションによって検証します。

シミュレーション結果

シミュレーション条件は以下の通りです。

  • シミュレーション時間:2880分(2日間)、サンプリング時間:60分
  • トラック台数:1台〜15台(15パターン)

おのおのの条件でのシミュレーション結果は以下のようになります。

次に、シミュレーション結果を生産数(到着した部品を元に生産された製品数)を元に比較すると以下のようになります。

結果の傾向

シナリオ比較の結果、以下の傾向が確認されました。

  • トラック台数が増えるにつれて、生産される製品数は増加
  • ただし、増加量は次第に緩やかになる
  • トラック数が6台を超えたあたりで増加効果が頭打ちになる

考察

今回のモデルでは最低積載率の制約がないため、

  • 台数を増やせば搬送量は増加し、搬送量に応じて生産量が増加する

という結果になります。
しかし重要なのは生産量の「増加率」です。

  • 初期(1〜6台):大きく効率改善
  • 中盤(7〜10台):改善は続くが緩やか
  • 後半(10台以上):更に緩やかになる

このことから、6台が費用対効果の観点で最適な台数と考えられます。
それ以上トラックを増やしても、

  • 生産量は大きく増えない
  • しかし運行コストは増加する

ため、非効率な状態となることがわかります。

まとめ

ミルクラン方式は効率的な物流を実現する強力な手法ですが、その効果を最大化するためには「適切な台数設計」が不可欠です。assimeeを活用することで、トラック台数の最適化を検討するために使用できる出荷量のような根拠のある数字がシミュレーションにより得られます。
今回のモデルでは単純化した搬送を考えましたが、さらに以下のような要素も考慮できます。

  • サプライヤーごとの供給量の違い
  • 積み込み時間・待ち時間
  • 時間帯別の需要変動

これらを組み合わせることで、より現実に近いモデルを構築し、実運用に即した最適なトラック台数を導き出すことも可能です。

assimeeでは、実際の製造プロセスをモデル化し、シミュレーションすることで、プロセスの見える化や潜在的な課題の洗い出しを行うことができます。製造プロセスのデジタル化や課題解決でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。

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