Scope4

Scope4とは、温室効果ガス排出量の評価における新しい概念で、「削減貢献量」を意味します。これは、自社の製品・サービスの提供によって、他社または社会全体のCO2排出を間接的に削減する効果を示す指標です。たとえば、高効率な省エネ機器、再生可能エネルギーの導入支援、低炭素素材の提供などがScope4の対象になります。従来のScope1(自社排出)、Scope2(電力等の間接排出)、Scope3(バリューチェーン全体の排出)とは異なり、「貢献量」としての性格を持ちます。Scope4は、エネルギー効率に優れた新製品や新技術に切り替えたことで、企業単体では従来よりScope1から3の排出量が増えてしまうが、社会全体では削減されているというようなケースに対応するために登場しました。ただし、現在の排出量という絶対評価ではなく、一定の基準に対する過去と現在の排出量を比較することで相対的に計算されるため評価が曖昧になるという問題もあり、まだ国際的に標準化されていない段階です。しかし、企業のポジティブインパクトを定量的に示す手段として、特に脱炭素技術を提供する企業やスタートアップにとって重要な指標とされています。