1個流し

1個流し(いっこながし)とは、製造ラインにおいて1つずつ製品を順番に工程へ流していく方式で、セル生産方式における生産手法の1つです。トヨタ生産方式で重視される考え方のひとつで、在庫を最小限に抑え、リードタイムを短縮するための有効な手法としても知られています。
バッチ生産では、同じ作業をまとめて一定量こなしてから次の工程へ送るため、工程間に仕掛かり在庫が多くなりがちです。一方で、1個流しでは、製品1個が完成するごとに即座に次工程へ送り出します。この方式の主なメリットは以下の通りです。

  • 仕掛かり在庫が減少し、スペースとコストを削減
  • 不良の早期発見が可能になり、品質向上につながる
  • リードタイムが短くなり、納期対応力が高まる

ただし、すべての工程のバランスが取れている必要があり、工程にばらつきがある場合には滞留や停滞の原因になることもあります。そのため、標準作業の徹底やラインバランシングが重要な前提条件となります。