CCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage)とは、二酸化炭素(CO2)を回収・有効利用・貯留する一連の技術を指し、カーボンニュートラルの実現に向けた重要な手段のひとつです。まず、発電所や工場などから排出されるCO2を分離・回収(Capture)し、その後、さまざまな用途に活用(Utilization)したり、または地中などに長期的に貯留(Storage)します。利用例としては、回収したCO2を化学原料や建材に再利用する方法や、藻類の培養への利用、炭酸飲料の製造などがあります。貯留に関しては、使い終えた油田やガス田、炭鉱などの深層の地層に高圧で注入し、環境中への放出を防ぎます。
CCUSは、排出されたCO2を減らすだけでなく、排出そのものをなかったことに近づける「ネガティブエミッション」にも寄与する可能性があり、化石燃料を用いた産業の脱炭素化を支える鍵となります。現在、日本を含め世界各国で技術開発・実証が進んでおり、今後の普及とコスト低減が期待されています。