直行率とは、製造業において部品や製品が、不良による手直しや再加工を受けることなく、最初の工程から最終工程までを一度で通過できた割合を示す指標です。英語では「First Pass Yield(FPY)」とも呼ばれ、品質と工程の安定性を評価するために用いられます。
計算式は一般的に、
直行率=(一発合格品の数 ÷ 総投入数)× 100(%)
で求められ、数値が高いほど、無駄のないスムーズな生産が行われていることを意味します。
直行率が低い場合、不良品の発生や再作業が多く、コストや納期、品質に悪影響を与える可能性があります。逆に、直行率が高い現場では、生産効率が良好で、工程管理が適切に行われていると判断されます。直行率の改善には、不良の原因分析や設備の精度向上、作業手順の標準化などが有効です。生産現場では、品質向上やコスト削減を目指すうえで、重要な管理指標のひとつとされています。
歩留まりや良品率との違い
歩留まりは最終的に完成品になれば、不良品であってもアウトプットとしてカウントします。
良品率は修正や手直しをして最終的に製品となれば、アウトプットとしてカウントします。
これらに対して直行率は完成品になるまでに手戻りなく直行で進んだ製品のみをアウトプットとしてカウントするので、一般的に以下のようになります。
直行率 < 良品率 < 歩留まり