べき動率

べき動率(可動率、べき等率)とは、生産設備や機械の能力と実際の生産量のバランスを示す指標であり、工場の生産計画や設備投資を最適化するために用いられます。具体的には、最大生産能力と実際の生産量の比率を示し、「生産能力に対してどれだけの割合で実際に生産を行っているか」を評価するものです。一般的に「(設備の稼働可能時間 ÷ 操業時間)× 100%」で計算されます。設備の稼働可能時間とは故障などで止まっていない時間のことです。

計算例:
 設備の稼働時間が10時間(600分)で、稼働パターンが10分間稼働の後に20分間停止するような場合を仮定します。
 故障やメンテナンスでの停止時間はないため、べき動率は100%となります。
 一方で、稼働率は33%と計算されます。

この指標が高い場合、スケジュール通りに作業が進み、設備などにトラブルもなく生産が効率よく行われていると分かります。一方で、べき動率が低い場合、設備の故障やメンテナンスが多かったり、設備が十分に活用されておらず、コスト効率が悪化します。適切なべき動率を維持することが重要であり、生産ラインの最適化や設備保守計画の見直しが求められます。
また、べき動率の適正値は業界や製造プロセスによって異なり、柔軟な生産計画の立案が必要です。安定した生産性を確保するためには、設備の稼働状況を継続的にモニタリングし、適切に維持することが重要となります。