製造

同タイミングで稼働する生産設備の稼働条件を検証する

概要

製造現場では、複数の部品や製品を並行して生産する際に、それぞれの入荷時間や作業時間が異なっていても、決められた時間に合わせて工程を稼働させることがあります。例えば、ある製品の部品は早朝に入荷し、別の製品の部品は生産開始の直前に入荷する場合でも、実際の組立作業は「9時から開始」と決められているケースです。このような現場では、単純に「部品が到着したらすぐに加工を開始する」というモデルでは、実際の生産スケジュールを正確に再現することができません。また、複数の製品をまとめて出荷する場合には、先に完成した製品だけを出荷するのではなく、必要な製品がすべてそろうまで待機し、決められた単位でまとめて出荷する必要があります。

そこで今回は、assimeeの情報機能を利用して、

  • 部品の入荷時間が異なる
  • 製品ごとの作業時間が異なる
  • 組立開始時間はそろえる
  • 必要な製品がすべてそろってから出荷する

という生産ラインを再現します。

情報を使って各工程の開始タイミングを制御することで、実際の生産スケジュールに合わせたシミュレーションを行う方法について解説します。

モデル

今回用意したモデルは、4種類の製品を並行して生産する工場です。モデルは以下の図の通りです。

4種類それぞれの製品は異なる部品から組み立てられており、部品の入荷時間や組立に必要な作業時間も異なります。そのため、何も制御しなければ、部品が到着した順番に各組立工程が開始され、製品ごとに完成するタイミングもばらばらになります。しかし、今回想定する工場では、部品が到着したタイミングではなく、あらかじめ設定された生産スケジュールに従って組立を開始するように設定し制御します。

組立開始時間をそろえて情報機能を使って組立開始を制御

今回の生産スケジュールでは、組立を開始する時間を以下のように設定します。

  • 9時
  • 10時
  • 11時
  • 13時
  • 14時
  • 15時

それぞれの時間になると、4種類の製品の組立工程が同じタイミングで開始されます。
今回のモデルでは、assimeeの情報機能を使って各組立工程の開始時間を制御します。設定した時刻になると、生産開始を指示する情報が各組立工程へ送られます。一方で組立工程では、「必要な部品がそろっていること」に加えて、「生産開始の情報を受け取っていること」を処理開始の条件として設定します。これにより、部品が早く到着していても、情報を受け取るまでは組立を開始しません。つまり、部品という「物」の流れと、生産指示という「情報」の流れを分けて制御することが今回のモデルのポイントです。
実際の工場でも、材料があるからすぐに生産するとは限らず、生産計画や指示書に従って設備や作業者が動きます。情報機能を利用することで、このような現場の運用をモデル上でも再現できます。

出荷タイミングの同期

今回のモデルでは、組立開始時間だけでなく、出荷についても同期させます。4種類の製品は作業時間が異なるため、同じ時間に組立を開始しても完成するタイミングは必ずしも同じではありません。先に完成した製品は、すぐに出荷するのではなく、出荷前の置き場で待機します。そして、4種類すべての製品がそろったところで出荷工程を開始します。
例えば、

  • 製品Aが最初に完成
  • 次に製品Bが完成
  • その後、製品Cが完成
  • 最後に製品Dが完成

した場合、製品A~Cは製品Dが完成するまで待機します。製品Dが完成し、必要な製品がすべてそろった時点で、1セットとしてまとめて出荷します。この仕組みによって、「同時に生産を開始し、必要な製品がすべてそろってから出荷する」という一連の生産スケジュールを再現しています。

シミュレーション結果

シミュレーション結果は以下のようになりました。

ステータス推移を確認すると、部品の入荷時間が異なっているにもかかわらず、各組立工程が設定した時刻に合わせて開始されていることが分かります。9時、10時、11時、13時、14時、15時という設定したタイミングごとに組立工程が稼働しており、情報による開始制御が正しく機能しています。また、製品ごとに作業時間が異なるため、組立完了時間から出荷までには製品ごとに差が生じています。先に完成した製品は出荷前で待機し、4種類の製品がすべて完成したタイミングで出荷工程が開始されています。この結果から、

  • 入荷時間が異なっていても生産開始時間をそろえられている
  • 製品ごとの作業時間が異なっていても、それぞれ独立して処理されている
  • 必要な製品がすべてそろうまで出荷が開始されない
  • 設定した生産スケジュールに従って一連の工程が繰り返されている

ことが確認できます。

スケジュール制御をシミュレーションするメリット

今回のような生産方式では、単純な工程能力だけではなく、タイミングのずれが重要になります。例えば、ある製品だけ作業時間が長くなれば、他の3製品が完成していても出荷できません。反対に、特定の製品だけ極端に早く完成させても、他の製品を待つ時間が長くなるだけで、最終的な出荷時間は短縮されない可能性があります。この場合、改善すべきなのは最も早い工程ではなく、全体の出荷タイミングを決めている工程です。
シミュレーションを利用することで、

  • どの工程が出荷を遅らせているのか
  • どの製品の待ち時間が長いのか
  • 生産開始時間を変更するとどうなるのか
  • 入荷時間を変更すると待機時間を減らせるのか

といった点を確認できます。そのため、生産スケジュールそのものの妥当性を検証することにも活用できます。

まとめ

今回の記事では、部品の入荷時間や製品ごとの作業時間が異なる4つの組立工程について、assimeeの情報機能を使って生産開始時間をそろえる方法を紹介しました。9時、10時、11時、13時、14時、15時という生産スケジュールに合わせて情報を発信することで、部品が入荷した時間に左右されず、設定したタイミングで組立作業を開始することができます。また、完成した製品をすぐに出荷するのではなく、必要な製品がすべてそろってから出荷することで、複数工程を同期させた生産・出荷も再現可能です。
このようにassimeeでは、物の流れだけでなく情報の流れを組み合わせることで、

  • 生産開始時刻の指定
  • 複数工程の同期
  • 完成品がそろってからの一括出荷
  • 時間帯ごとに異なる生産計画

など、現場で行われている複雑な生産スケジュールをモデル化することが可能です。シミュレーション結果から各工程の待ち時間や出荷を遅らせている工程を確認することで、現在の生産スケジュールが適切かを検証し、より効率的な生産計画の立案につなげることができます。

assimeeでは、実際の製造プロセスをモデル化し、シミュレーションすることで、プロセスの見える化や潜在的な課題の洗い出しを行うことができます。製造プロセスのデジタル化や課題解決でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。

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