物流

交差点が存在するAGVの走行ルートを検証する

概要

近年の生産現場や物流現場では、搬送作業の自動化を目的として AGV(Automated Guided Vehicle:無人搬送車) の導入が進んでいます。AGVを利用することで、人手による搬送作業を削減できるだけでなく、安定した搬送リズムを保つことができるため、生産効率の向上にも大きく寄与します。
しかし、AGVを導入する際には以下のような課題が発生します。

  • AGVの走行ルートをどのように設定するか
  • 交差点での優先ルールをどうするか
  • AGVの台数は何台が適切か
  • 搬送待ちが発生するボトルネックはどこか

これらの条件を現場で試行錯誤することは難しく、設備導入後に問題が発生すると生産ライン全体に影響が出てしまいます。そのため、導入前にシミュレーションによって搬送条件を検証することが非常に有効です。assimeeを使用すると、AGVの搬送ルートや交差点のルールなどを簡単にモデル化し、シミュレーションによって搬送の流れを確認することができます。
今回の記事では、AGVが交差する搬送ルートを再現し、AGVの走行状況をシミュレーションによって検証してみます。

モデル

今回用意したモデルは、部品搬送と製品搬送の2種類のAGVが走行中に2箇所で交差するルートを持つ場合の搬送システムです。

  • 赤いAGV:部品を搬送するAGV5台
  • 白いAGV:製品を搬送するAGV5台

走行ルートは以下のようになります。

それぞれのAGVは、積荷の積み込み場所を起点にした番号を付けたルートを、番号順に移動しながら搬送作業を行います。その途中には 2箇所の交差点があります。交差点では安全のため以下のように同時に1台のAGVしか進入できないという制約を設定しています。

  • 先に到着したAGVが優先して通行する(先着優先)

このような条件のもとで、AGV同士が交差する状況を再現し、搬送システムが問題なく動作するかを確認します。

シミュレーション結果

モデルを作成した後、480分(8時間)のシミュレーションを実行しました。得られた結果は以下の通りとなります。


これらの結果を確認すると、以下のような挙動が観察されました。

  • AGVは設定したルートに従って問題なく走行している
  • 赤いAGVと白いAGVが交差するポイントでは、時折 待ち時間(交通待ち) が発生している

この待ち時間は、交差点に同時に侵入をしないという交通制御の影響によるものであり、AGV同士が同じタイミングで交差点に到達した場合に発生します。しかし、今回の条件では待ち時間は短く、搬送全体としては 大きな滞留やボトルネックは発生していないことが確認できました。

このように、シミュレーションを行うことで、

  • AGVの走行状況
  • 交差点での待ち時間
  • 搬送全体の流れ

を視覚的に把握することができます。

まとめ

assimeeを使用することで、AGVの搬送ルートや台数、交差点のルールなどをモデル化し、搬送システムの動作を事前に検証することが可能になります。今回の例では、AGV同士が交差するルートを再現し、交差点での待ち時間や搬送の流れを確認しました。
また、assimeeには情報処理機能があり、これを利用するとさらに高度な搬送制御を実現できます。例えば、

  • 出荷を担当するAGVを優先通行させる
  • 特定のAGVに優先順位を与える
  • 交差点で意図的に待ちを発生させ、交通制御を行う
  • AGV台数を変えて搬送能力を比較する

といった条件を自由に設定することができます。

AGVの導入や搬送システムの設計においては、実際の設備を導入する前にシミュレーションによって検証することが非常に重要です。assimeeを活用することで、搬送ルートやAGV台数を容易に検討することができます。

assimeeでは、実際の製造プロセスをモデル化し、シミュレーションすることで、プロセスの見える化や潜在的な課題の洗い出しを行うことができます。製造プロセスのデジタル化や課題解決でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。

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