重量管理の材料を数で処理するモデル

概要

今回の記事では、重量で管理される材料を使って、数量で管理される製品を組み立てるラインをassimee上で再現する方法を紹介します。
実際の製造現場では、部品や完成品は「個数(数量)」で管理されることが一般的ですが、原料として使用される粉末・液体・ペースト状の材料などは「重量(kgやgなど)」で管理されるケースが多くあります。こうした異なる単位体系が混在する現場において、効率的な工程管理や資源配分を行うためには、数量だけでなく重量ベースでの管理やシミュレーションも重要になります。assimeeでは、基本的に数量単位での工程設計が中心ですが、工夫次第で重量管理、容量管理などにも柔軟に対応することが可能です。今回のモデルでは、原材料の供給や消費を「供給割合」や「製品あたりの使用量」といったパラメーターで考えて設定することで、実質的に重量ベースの運用をシミュレーションに組み込んでいます。

モデル

今回作成するモデルは以下の通りです。

想定している工程の内容

このシミュレーションでは、以下のような工程を想定しています。

  • 原料供給:原料は5分間に1000gの割合で供給されます。
  • 容器詰め:材料を、1個あたり100gずつ、サイクルタイム0.5分で容器(瓶)に詰め製品にします。
  • 出荷単位:製品は20個単位で出荷(出荷の処理時間は1分)します。
  • 生産能力:このラインでは、毎分2個が理論上の最大生産能力です。

assimeeでの再現方法

assimeeは基本的に「個数」での流れを管理するツールですが、今回のような「重量供給」で「数量生産」をするモデルの場合は、供給割合や出力数量のパラメーターを活用することで再現可能です。

具体的には以下のようにモデルを設計しています。

  • 入荷:5分あたり1000gの材料(1個)が入荷と設定します。
  • 材料工程:1000gの材料(1個)を製品1個分の材料である100g単位(10個)へ変換(分割)します。
  • 詰め工程:1個100g単位の材料を1個の容器に詰めて製品1個にします。

ポイント:重量の流れを数量に置き換える工夫

このモデルでは下図のように、「重量(1000g)」で供給される材料を製品1個分(製品1個あたり100g)で小分けにして考えることで「個数」単位に変換し処理しています。この処理をベースに他の部分をコントロールすることで、実際の生産ラインに近い動きを再現することができます。

シミュレーション

モデルの作成が終わったらシミュレーションを480分の設定で行います。シミュレーション結果は以下の通りです。

480分で940個の出荷となります。
想定の生産量は1分間に2個なので20個少ないですが、最初の出荷が行われるまでに時間(20分)が必要なことを考えると、この減少は理解できることがわかります。
次に重量を数に変換する部分「003重量を数へ変換」を確認します。

設定通り、入力される1個の材料を10個に小分けして出力していることがわかります。
最後にステータス推移を一応確認してみます。

設定通りに動いており、材料の滞留などシミュレーションのトラブルが発生していないことがわかります。

まとめ

今回の記事では、「液体や粉末のように重量や容積で管理されている材料を処理して製品を作る場合」をテーマにモデルを作成し、シミュレーションを行いました。1回分の処理量が決まっているような場合、assimeeのプロセスカードをうまく使うことで、数量管理の品目以外を取り扱うことも可能です。
assimeeはモデルの作成から実行・分析までをノーコードで行うことができます。そのため、専門的なコーディングの知識がなくても、現場改善のためのシナリオ検討や業務設計の効率化を行うことが可能です。

assimeeでは、実際の製造プロセスをモデル化し、シミュレーションすることで、プロセスの見える化や潜在的な課題の洗い出しを行うことができます。製造プロセスのデジタル化や課題解決でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。

関連記事