概要
プレス間搬送とは、複数のプレス機の間でワーク(素材)を自動的に受け渡す搬送システムを指します。自動車や家電などに使用されている金属部品のプレス加工において、連続するプレス工程を効率よくつなぐための重要な技術です。従来、プレス機間のワーク移動は人手によって行われていましたが、搬送時間にばらつきがあったり、プレス機に手を入れることから安全上の問題がありました。しかし、プレス間搬送の導入により、自動での連続生産が可能となり、作業者の負担軽減と品質の安定化を同時に実現しました。プレス間搬送では、サーボ制御を使った搬送やロボットアームによる搬送、リニア駆動式の搬送などの機構が使われています。今回はサーボトランスファー機構をモデルとして再現します。
モデル
今回作成するプロセスは以下のようにプレス機2台とワークを搬送する搬送機3台からなるプロセスを想定します。
入荷→入荷品置き場→搬送機1→プレス機1→搬送機2→プレス機2→搬送機3→出荷品置き場→出荷作業
また、モデルの動作条件として以下の条件があります。
1 各プレス機や各搬送機に載せることのできるワークは1個のみ
2 搬送機の搬送時間は10秒
3 プレス機1の加工時間は10秒、プレス機2の加工時間は20秒とし、加工時間に差がある
完成したモデルは以下のようになります。*上流と下流に2分しています。


加工プロセス自体は一本道で単純ですが、ループを使って情報のやり取りを行い、動作条件を満たすように作成しています。
シミュレーション
モデルが完成したらシミュレーションを行い、動作を確認します。今回はシミュレーション時間を300分とせってしました。シミュレーションが終わると以下のような結果が表示されます。

次にステータス推移を確認し、動作の状況を見てみましょう。ステータス推移は以下の図のようになります。

この図をシミュレーション開始時点から分析してみましょう。ワークはワークA、ワークB、ワークCのような順番で供給されると仮定します。
- 搬送機1がワークAをプレス機1に搬送し、プレス加工を行います。
- 加工が終わったワークAは、搬送機2によってプレス機2に運ばれ、さらにプレス加工を受けます。
- 空いたプレス機1には、すぐに搬送機1がワークBを搬入し、プレス加工が始まります。
- しかし、プレス機2での加工時間は、プレス機1より長いため、プレス機2が空くのを待つ間、搬送機2の上でワークBが待機する状態になります。
- ワークBが搬送機2上で待っている間に、プレス機1でのワークCの加工が完了しますが、搬送機2がふさがっているため取り出せず、プレス機1の上にワークCが滞留します。
- 同様に、搬送機1にも次のワークDが準備されているものの、プレス機1が空かないため、搬送機1上で待機する状態になります。
- その後、プレス機2でのワークAの加工が完了し、搬送機3で取り出されると、ようやく搬送機2が空き、ワークBがプレス機2に搬送され、ワークCがプレス機1から取り出されて搬送機2に移されます。
- 続いて、空いたプレス機1にはワークDが搬送されて加工が始まり、搬送機1には次のワークEが準備されます。
- このように、作業が進むにつれて、プレス機2の加工スピードに合わせてワークが順次下流へと送られる定常状態になります。
- この一連の流れから、プレス機2の加工時間の長さが全体の流れを制限している=ボトルネックになっていることが分かります。
このようにassimeeを使って稼働時間を可視化することで、プロセス間でのワークの移動を分析し見える化することも可能となります。
まとめ
今回の記事では、プレス加工のラインで一般的に行われているプレス間搬送機の処理を再現し、シミュレーションを実施する方法について解説しました。assimeeでは、生産現場で使われているさまざまな工程を簡単にモデル化し、シミュレーションを行うことが可能です。
assimeeでは、実際の製造プロセスをモデル化し、シミュレーションすることで、プロセスの見える化や潜在的な課題の洗い出しを行うことができます。製造プロセスのデジタル化や課題解決でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。