ランダムなジョブをスキル別に割り振る方法の解説

概要

この記事では、ランダムに発生するジョブをスキル別に割り振り、シミュレーションを行う方法を解説します。会社内でジョブを処理する場合、ジョブごとに必要なスキルが異なります。一方で、ジョブを処理する人員のスキルにはばらつきがあり、ジョブAを担当できる人とジョブBを担当できる人が異なることがあります。そのため、管理者は適切なスキルを持つ担当者がいないジョブを作らないようにジョブを割り振る必要があります。

これを実現するには、例えば、以下のような工夫が求められます:

  • 処理可能な担当者が限られるジョブを優先して割り当てる
  • 誰にでも処理できるジョブを後回しにする
  • 色々なジョブを担当できる担当者を確保しておく

工場の場合も同様で、人員に加えて、複数の部品を加工可能な機械や特定の部品だけを加工できる機械を使い分ける必要があります。

今回はassimeeを使って処理可能な担当が異なるタスクを生成し、それを処理するプロセスをシミュレーションする方法を解説します。

モデル

今回、使用するモデルは下図の通りです。

このモデルは以下の2つの部分に分けられます。

前半部分:ランダムに5種類のジョブ(ジョブA〜E)を生成する部分
後半部分:生成したジョブを3人の作業員(作業員A〜C)に割り当てる部分
 ジョブA:作業員AとBが担当可能
 ジョブB:作業員BとCが担当可能
 ジョブC:作業員Aのみが担当可能
 ジョブD:作業員Bのみが担当可能
 ジョブE:全ての作業員が担当可能

また、それぞれのジョブは1時間の所要時間を必要とし、1日(8時間)あたり24件のジョブが入荷すると仮定します。

シミュレーション

モデルを作成したら、シミュレーション時間を480分に設定してシミュレーションを行います。シミュレーション結果は以下の通りとなります。

今回のモデルでは3人に対して24ジョブを割り当て、ジョブの処理を行うことをシミュレーションしました。この結果、19ジョブが処理されました。

上図は、このプロセスのステータス推移を示しています。作業員AからCのうち、一部の時間で業務が行われていない箇所が見られます。これはなぜでしょうか?
次に、プロセスで発生したジョブの内容を確認してみましょう。以下の図は、発生したジョブの一覧です。ジョブがランダムに発生しているため、作業員AやCが担当できないジョブが存在していた可能性が考えられます。

まとめ

今回は、ランダムに発生するジョブ(案件)に対して、スキルの異なる担当者が処理を行う場合を想定したモデルを作成し、シミュレーションを行う方法について解説しました。これにより人員体制の検討も可能となります。このようにassimeeでは単に作業や加工をシミュレーションするだけでなく、プロセスカードを上手く組み合わせることで、多彩なロジックを再現する動作することが出来ます。

assimeeでは、実際の製造プロセスをモデル化し、シミュレーションすることで、プロセスの見える化や潜在的な課題の洗い出しを行うことができます。製造プロセスのデジタル化や課題解決でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。

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