半導体製造プロセス後工程のモデル作成の解説

ー概要ー

半導体製造プロセスをサンプルにしたモデルの作成

前回まで、入荷と出荷に作業プロセスと検品プロセス、置き場のみの簡単なモデルを作成し、処理時間の最適化をするところまでの解説を行いました。今回は半導体の製造プロセス(後工程)をサンプルとして(簡略化して)、複数の部品を使って1つの部品を組み立てる組立プロセスや部品を加工する加工プロセス、置き場から出荷場所への運搬や検品といったプロセスを入れることでより複雑なモデルを作成します。今回実装するモデルは入荷→置き場→組立→置き場→加工→置き場→検品→置き場→運搬(ベルトコンベア)→出荷と10のプロセスからなり、下図のようになります。

ー今回新しく利用するプロセスの解説ー

モデル作成の前に今回、利用する3つのプロセス、組立、加工、運搬の各プロセスについて解説します。

組立プロセス

組立プロセスは複数の部品、例えば部品Aと部品Bから部品Cを組み立てることが出来ます。組み立てに必要な部品の名前や数、組み立てられた後の部品の名前や数をそれぞれ複数設定することができる他、処理時間や作業人数、故障や修理、段取り、工具取り換えに関するパラメータを設定することが可能です。

加工プロセス

加工プロセスは例えば部品Aを部品Bへ加工することが出来ます。加工プロセスでは加工のための処理時間や作業人数、故障や修理、段取り、工具取り換えに関するパラメータを設定することが可能です。

運搬プロセス

運搬プロセスは置き場から置き場へ輸送したり、置き場から出荷プロセスへ輸送することが出来ます。assimeeでは輸送方法の異なる4種類の運搬プロセス(ベルトコンベア、ローラーコンベア、人、AGV)がありそれぞれ特性が異なります。

1 ベルトコンベア

後述する人、AGVとは異なり連続的に部品を運搬することが出来ます。また、積荷容量、処理時間、長さ、速度、修理と故障に関するパラメーターを設定することが可能です。

2 ローラーコンベア

ベルトコンベアと同様に連続的に部品を運搬することが出来ます。こちらも積荷容量、処理時間、長さ、速度、修理と故障に関するパラメーターを設定することが可能です。

3 人

ベルトコンベアやローラーコンベアと異なり、荷物を輸送している間の移動時間の間、次の荷物を運ぶことが出来ません。例えば、
移動時間が1分の場合、片道で荷物を運ぶため、2分で1つの荷物の運搬が可能です。人の場合、積荷容量、運搬時間、運搬人数を設定することが可能です。

4 AGV

人と同様に移動時間は荷物を運ぶことが出来ません。AGVでは、積荷容量、運搬時間、運搬人数、修理と故障に関するパラメーターを設定することが可能です。

プロセス名の変更

編集画面ではプロセス名を変更できます。変更することでより実態に近づけた名称へ変えたり、識別を容易にすることができます。

ーモデルの作成ー

それではモデルを作成していきます。今回も前回と同様に「表から作成する」で作成します。入荷→置き場→組立→置き場→加工→置き場→検品→置き場→運搬→出荷の順になるように入力します。入力が終わったら「入力したプロセスを図で確認」をクリックします。

以下のような図が表示されます。

プロセスパラメータの設定

次に各プロセスのパラメータなどを設定していきましょう。設定するには図中のプロセスのアイコンをクリックします。

入荷プロセス

複数の部品の入荷を設定します。デフォルトでは下図のように「partA」が「1分」間隔で「1個」入荷と設定されていますが、新しい部品を追加してみましょう。
クリックすると以下の図のようになります。

詳細設定をクリックすると表示が広がり+ボタンが表示されるのでクリックします。partAの下に新しい枠が作られるので右側のマークをクリックします。

パーツ名と発生間隔、発生個数を設定できるので、今回はパーツ名を「partAA」、発生間隔を「1分」、発生個数を「2個」と設定します。

設定したらX印を押し、詳細設定の部分に「partAA」が追加されていることを確認したら→ボタンを押します。

組立プロセス

次に組立の設定を行います。デフォルトでは下図のように対象(入力)パーツとして「partA」を「1個」使用、出力パーツとして「partB」を「1個」組み立てるように設定されていますが、「partA」を「1個」と「partAA」を「2個」から「partC」を「1個」を組み立てるように変更します。組立プロセスのアイコンをクリックすると設定画面が開きます。

対象パーツの右側のマークをクリックすると以下の画面が立ち上がります。

枠右側のマークをクリックしすると設定を追加が表示されるのでクリックします。

すると新しい部品の枠が生成されるので、ドロップダウンメニューから「partA」の下に表示される「partAA」を選択し個数は「2個」に設定します。なおデフォルトでは組立プロセスの結果組み上がる製品が自動で「partB」となるので「partB」も選択に登場します。

入力が終わったらXボタンを押して対象パーツの設定画面から抜けます。次に出力パーツを選択し、パーツ名を「partC」へ変更します。個数は「1個」のまま変更しません。

×ボタンを押して設定画面から抜け設定が下図のように変更されていることを確認したら組立プロセスの設定も終了です。

加工プロセス

最後に加工プロセスを設定します。他のプロセスと同様にアイコンをクリックすると設定画面が表示されます。

組立プロセスと同様に枠の右側のマークをクリックして、対象パーツをデフォルト値である「partA」から組立プロセスの出力パーツである「partC」に、出力パーツのデフォルト値である「partB」を製品へ変更します。個数はどちらも「1個」のまま変更しません。

これで加工プロセスの設定も終了です。

プロセス名の変更

上記の変更が終わったら確認を兼ねて編集画面からプロセス名を変更します。なおプロセス名はそれぞれのアイコンから変更することもできます。
青色の表マークをクリックすると下図のように表示されるので、

組立⇒ワイヤーボンディング
加工⇒モールディング
検品⇒最終検査

のように変更します。

変更が完了したら、×ボタンを押したあと、画面下に表示されている「シミュレーションモデルを保存」ボタンを押して編集画面を終了します。

ーシミュレーションー

モデルの保存

これでモデルが完成したので、歯車マークをクリックしモデルを保存します。
今回はデフォルト名から製造プロセスという名前へ変更して保存します。

シミュレーション

次にモデルの動作をシミュレーションで確認します。シミュレーションタブから「シミュレーションを実行する」ボタンを押し、シミュレーションができるかどうかを確認します。

下図のようにグラフが表示されれば、問題なく動作しているといえます。ここまでの例の様に設定したのにグラフが表示されない場合や形が大きく異なる場合は設定のどこかに問題があるので、編集ボタンを押して確認の上で問題箇所を修正してください。

ーまとめー

今回、半導体製造の後工程をサンプルに新しいモデルを作成しました。次回はこのモデルを使ってモデルチューニング、在庫最適化、人員最適化を行う方法について解説します。ご期待ください。

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