概要
生産現場や物流現場では、部品や製品の搬送を人が担当するケースが数多くあります。しかし、「搬送人員を何人配置するのが適切か」という問いに対しては、これまで担当者の経験や勘に頼ることが多いのが実情でした。人員が少なければ生産が滞り、多すぎれば人件費が増加します。つまり、搬送人員は「少なすぎても多すぎても問題」となる重要な要素です。
assimeeのシナリオ比較機能を活用すれば、搬送人員の人数を段階的に変更した場合の生産量や搬送量を一覧で比較することができます。これにより、経験や感覚ではなく、定量的なデータを根拠に最適な人員数を判断することが可能になります。今回は、搬送人員を1人から10人まで変化させた場合の生産量の違いをシミュレーションで検証し、最適な人数を導き出す例について解説します。
モデル
今回のモデルは、2種類の部品を使用して製品を組み立てるラインです。
工程の流れは以下の通りです。
- 部品Aと部品Bをそれぞれ加工
- 加工後の部品を人が組立工程まで搬送
- 組立工程で製品を完成
モデルは下図の通りとなります。

今回は、最も下流にある組立工程の能力に合わせて、人手搬送工程を強化することを目指します。ポイントは、assimeeのシナリオ比較機能を使い、シミュレーション時間480分の条件の下で、人員数を1人から10人の間で変化させ、それぞれのケースでの生産量を比較し最適な搬送人員数を決めることです。
比較シナリオの設定画面は以下の通りです。今回は人員数を1人から10人の間で変化させ、10通りのシナリオを作成しました。

シミュレーション結果
480分間のシミュレーションを実行すると、先ほど作成した10通りのシナリオの結果が一覧で表示されます。生産数に注目して結果を確認すると、以下の傾向が確認できました。

- 搬送人員数が1人から増えるにつれて、生産数は段階的に増加。
- 8人を超えると生産数の増加が止まり、9人、10人と増やしても生産量は変化しない。
8人未満では搬送がボトルネックとなり生産が伸びず、8人の時点で搬送能力が十分に確保されることを示しています。また、8人を超えると下流側の組立工程の能力が制約となって部品が余る状態になり、人員数を追加しても生産量増加に寄与せず、人員コストだけが増加する状態となることを示しています。
つまり、今回の条件下では搬送人員数は8人が最適という結論が導かれます。
まとめ
assimeeのシナリオ比較機能を活用することで、
- 搬送人員の最適人数の決定
- 在庫量の最適化
などを、定量データに基づいて簡単に判断することが可能です。
これまで経験や勘に頼っていた人員配置も、シミュレーションによって「見える化」することで、根拠ある意思決定へと変えることができます。搬送人員を増やせば必ず生産が増えるわけではありません。どこに本当のボトルネックがあるのかを見極めることが重要です。assimeeは、その判断を支援する強力なツールとなります。
assimeeでは、実際の製造プロセスをモデル化しシミュレーションや、既存のVSM(バリューストリームマップ、物と情報の流れ図)を活用した直接的なシミュレーションが可能です。これにより、製造プロセスの「見える化」を実現し、潜在的な課題を明確にすることができます。製造プロセスのデジタル化や課題解決にお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。