QC工程表とは、製造工程における品質管理項目や方法を体系的に整理した管理表であり、製品品質を安定させるための重要な文書です。QCは「Quality Control(品質管理)」の略で、QC工程表はどの工程で何を、どのように管理するかを明確化することが目的です。
通常、QC工程表には以下の内容が盛り込まれます:
- 各工程の作業内容
- 管理項目(寸法、外観、機能など)
- 管理方法(測定機器や検査手法)
- 管理基準(許容範囲や規格)
- 管理頻度(毎ロット、毎時間など)
- 記録方法(チェックシート、電子記録など)
- 異常時の対応(NG発生時の処置ルール)
- 品質管理責任者
QC工程表の最大の利点は、品質管理のポイントが明確になることで、作業のバラツキを抑え、標準化が進む点にあります。新ライン立ち上げ時や新製品導入時、工程変更時などに作成され、作業者教育やトレーサビリティ確保にも活用されます。また、QC工程表は製造現場だけでなく、設計・品質保証部門との連携でも重要です。工程設計段階で品質を作り込む「品質の作り込み(Built-in Quality)」の考え方に基づき、工程FMEA(故障モード影響解析)などと連動させて活用されるケースも増えています。