内段取り

内段取りとは、設備を停止している間に行う段取り作業のことを指します。段取りとは、製品を切り替える際に必要な準備作業全般(治具や金型の交換、材料の補充、設定変更など)を意味しますが、その中でも内段取りは「機械が動いていない状態でしかできない作業」に限定されるため、生産ラインの停止時間に直結する重要な要素となります。例えば、プレス機の金型交換やNC工作機のプログラム変更などは、設備が完全に停止してからでないと作業できないため、内段取りに分類されます。これに対して、設備が稼働中に並行して行える作業(工具の準備、材料の搬送など)は「外段取り」と呼ばれます。内段取りを短縮することは、生産性の向上や稼働率の改善に直結します。そこで注目されるのがSMED(Single Minute Exchange of Die)という考え方です。SMEDでは、内段取りを外段取りに変更することや、作業の簡素化・標準化を通じて、設備を停めなければならない時間の大幅短縮を図ります。
製造業においては、多品種少量生産の進展により段取り回数が増えているため、内段取りをいかに効率化するかが競争力の鍵となります。作業手順の見直しや治具の共通化、専用工具の導入などが有効な対策として実施されています。