ミルクラン方式

ミルクラン方式とは、納入者ではなく発注者が用意した車両が複数の仕入先を順番に巡回して貨物を集荷・納品する配送方式で、輸送効率を高める手法のひとつです。名称は、牛乳メーカーの牛乳収集車(Milk Run)が複数の牧場を回って牛乳を集める様子に由来しています。この方式では、車両の空きスペースを最大限に活用しながら、輸送回数や待機時間を削減できるため、特に少量多頻度の物流に適しています。トラックの積載率向上による輸送コストの削減やCO2排出量の抑制にもつながります。発注者が集荷するため納入の時間帯を標準化しやすく、作業効率向上や工場内の在庫削減にも貢献します。自動車産業をはじめとした製造業の調達物流で多く採用されています。一方で、集荷先が遠方の場合や、集荷先の中小サプライヤーの敷地が狭い場合は積載に時間がかかることがあり、コスト増につながる可能性があります。