からくり

からくりとは、モーターや電気を使わず、重力やバネ、カム、てこ、滑り台などの物理的な仕組みを活用して、部品や製品の搬送・供給・排出などを自動的に行う省エネ装置のことを指します。特に「からくり改善」と呼ばれる活動では、コストをかけずに現場の作業負担を軽減し、安全性や効率性を向上させる目的で導入されます。たとえば、箱を乗せるだけで自重でスロープを滑り落ち、作業者の手元に自動で届く「からくり棚」や、使用後の空箱を自動で回収するリターン装置などが一般的です。これらの装置は、作業のムリ・ムダ・ムラを減らし、工程の標準化や品質の安定化にも寄与します。加えて、電力を使わないため環境負荷が少なく、カーボンニュートラルの観点からも注目されています。現場発のアイデアによる改善活動として、製造業では広く活用されています。