概要
今回の記事では色々な条件で製品を生産する生産計画をシミュレーションする方法について解説します。単一ラインだった時と比較して、複数の生産ラインを用意する場合、作業員の生産効率の違いを生産条件として考慮する場合、考慮しない場合でシミュレーションにどんな差が出て来るのかを解説します。
モデル
今回使用するモデルは以下の図のようになります。4つの生産ラインを再現するため、部品置き場から分岐し、加工ラインが4プロセス設置したモデルとなっています。

このモデルでは、段取り替え時間を「60分」、モデル内の入荷は在庫の出庫とみなして考えます。
生産計画
モデルを作る前に生産計画を用意します。前回と同様、単一製品の生産計画を準備します。
生産する製品:製品000
必要な部品:製品000用部品が1個
生産数:2000個
時間当たりの生産数:600個(平均処理時間0.1分)のラインを4並列で2400個
段取り替え時間(立ち上げ時間):60分
この計画に応じてモデルを設定していきます。簡単のため不良品は発生しない前提とします。
シミュレーション
モデルを作成したら、シミュレーション実行時間を「300分」(5時間)に設定して、シミュレーションを実行します。設定に問題がなければ、ダッシュボードから以下のような「生産推移」、「生産数」や「生産割合」などのグラフが表示できます。

このシミュレーションでは生産効率など加工のパラメーターが全て同じため、25%ずつの生産量となっていることが分かります。この状態は、実際の工場で行われているケースに当てはめると、時間当たりの標準生産数を全ての生産ラインに適用した場合に相当すると考えることが出来ます。しかし、実際には作業員のスキルや経験によって生産効率(モデル中では処理時間)が異なる場合があり、稼働中に頻繁に生産計画を見積もり直すことに繋がっています。assimeeでは生産ラインごとに条件を変えてシミュレーションを行うことが可能です。次は、ラインごとに処理時間を変えてシミュレーションしてみましょう。これにより、より現実に近いシミュレーションが可能となると考えられます。
生産ラインごとに生産効率が異なる場合
先ほどは標準生産数を使った形でしたが、次に生産ラインごとに時間当たりの生産数(生産効率)を変えたシミュレーションを行う方法を解説します。また、後で比較を可能とするため以下の方法でモデルを複製した上で、設定を変更することにします。
モデルに適用する生産計画は下記の通り変更しないので、入力を変更する必要はありません。
生産する製品:製品000
必要な部品:製品000用部品が1個
生産数:2000個
時間当たりの生産数:600個(処理時間0.1分)
段取り替え時間(立ち上げ時間):60分
次に生産効率を加工プロセスのパラメータ、「処理時間」を使って、以下のように設定します。やや、極端な条件付けですが、熟練者と新人が混在することを想定しています。*段取り時間や、対象パーツ、出力パーツの設定は変更しません。
「加工ライン1」:処理時間0.05分(時間当たり、生産数1200個に相当)
「加工ライン2」:処理時間0.10分(時間当たり、生産数600個に相当)
「加工ライン3」:処理時間0.10分(時間当たり、生産数600個に相当)
「加工ライン4」:処理時間0.15分(時間当たり、生産数400個に相当)
パラメーター設定が終わったら、シミュレーション実行時間を「300分」(5時間)に設定し、再度シミュレーションをします。設定に問題がなければ、以下のようなグラフが表示されます。

先ほどと同様にラインごとに表示してみると生産数が大きく異なることが分かります。詳細を確認して行きましょう。ダッシュボードから「生産推移」や「生産数」を呼び出し、生産数を確認します。生産割合は「生産割合」から確認することが可能です。今回のモデルでは生産効率の高い「加工ライン1」(緑)が「加工ライン4」(青)の約3倍の数を生産していることが確認できます。
今回は処理時間だけを変更しましたが、個々のラインの段取り時間などを変更することで、より詳細な設定とシミュレーションによる検討が可能となります。
まとめ
今回は複数の生産ラインを用意した場合の生産計画の検討の方法について解説しました。また、ラインごとに生産効率を変えることで、シミュレーションがどう変化するかを確認しました。加工作業は時間当たりの生産数に標準化されている場合が多いのですが、実際には作業員のスキルや経験等によって生産効率(モデル中では処理時間)が、ずれる多く、稼働中に頻繁に生産計画を見積もり直す必要があり、生産管理の業務量の増加にも繋がっています。これに対して、assimeeを使うことで、生産計画のシミュレーションが簡単にできるほか、個々の作業効率などパラメータを容易に変えることが出来るので、より正確な生産計画を簡単に立てることが可能になります。
assimeeでは、実際の製造プロセスをモデル化したシミュレーションや、既存のVSM(バリューストリームマップ、物と情報の流れ図)を活用した直接的なシミュレーションが可能です。これにより、製造プロセスの「見える化」を実現し、潜在的な課題を明確にすることができます。製造プロセスのデジタル化や課題解決にお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。