概要
今回の記事では前回の記事で作成した半導体製造プロセスをサンプルとしたモデルがより現実に即した詳細なモデルとなるように、複数の分岐や良品の選別といったプロセスを追加したモデルを作成していきます。
モデルの作成

前回のモデルは入荷→置き場→組立→置き場→加工→置き場→検品→置き場→運搬→出荷と10のプロセスからなる上図のようなモデルでした。

今回はウェーハーからのダイの切り出しや複数製品の製造、不良品の検査と良品の選別、出荷先の仕分けなどを盛り込んだ構成となります。
プロセス図の作成とパラメーターの設定
それではモデルを作成していきます。「図から作成」ボタンを押して編集画面を立ち上げた後、以下の様にブロックに分けて各プロセスを配置しパラメーターを設定します。
入荷ブロック:
001 入荷:
下図のように複数の入荷パーツを設定
1つ目:パーツ名を「ウェーハー」に変更、個数を「10個」、発生間隔を「1分」と設定
2つ目:パーツ名を「ワイヤー」に変更、個数を「1000個」、発生間隔を「1分」と設定
002 入荷品置き場:
容量を「10000個」と設定
003 運搬(人):
最大積載量を「2000個」、人数を「10人」、搬送時間(片道)を「1分」と設定
004 部品分岐
処理時間を「1分」、
分岐条件1:「ウェーハー」を「005ウェーハー置き場」、
分岐条件2:「ワイヤー」を「041ワイヤー置き場」と設定
ウィンドウ最大化から詳細設定に入り、作業員にチェックを入れて、人数を「200人」と設定
部品ブロック:
005 ウェーハー置き場:
容量を「1000個」と設定
006 ダイシング:
下図のようにウィンドウ最大化から詳細設定に入り、
対象品目を「ウェーハー」、個数を「1個」と設定
出力品目を2つ
1つ目の名称を「ダイA」、個数を「5個」、
2つ目の名称を「ダイB」、個数を「5個」と設定
作業員にチェックを入れて、1人あたりの処理時間を「1分」、人数を「50人」と設定
007 ダイ置き場:
容量を「1000個」と設定
008 運搬(人):
最大積載量を「200個」、人数を「10人」、搬送時間(片道)を「1分」と設定
009 材料置き場
容量を「20000個」と設定
041 ワイヤー置き場:
容量を「10000個」と設定
042 運搬(人):
最大積載量を「2000個」、人数を「10人」、搬送時間(片道)を「1分」と設定
組立と検品ブロック:
010 ワイヤーボンディング:
下図のようにウィンドウ最大化から詳細設定に入り、
組立パターンを2つ設定
パターン1:
対象品目を2つ
1つ目の名称を「ダイA」、個数を「10個」、
2つ目の名称を「ワイヤー」、個数を「100個」、
出力品目を「半導体A」、個数を「10個」と設定
パターン2:
対象品目を2つ
1つ目の名称を「ダイB」、個数を「10個」、
2つ目の名称を「ワイヤー」、個数を「100個」、
出力品目を「半導体B」、個数を「10個」と設定
1人あたりの処理時間を「1分」、作業員にチェックを入れて、人数を「100人」と設定
011 半導体置き場:
容量を「1000個」と設定
012 モールディング:
処理時間を「1分」、
対象品目を2つ
1つ目の名称を「半導体A」、個数を「1個」、
2つ目の名称を「半導体B」、個数を「1個」と設定
ウィンドウ最大化から詳細設定に入り、作業員にチェックを入れて、人数を「100人」と設定
013 品目別分岐:
処理時間を「1分」と設定
分岐条件1:「半導体A」を「014半導体A置き場」、
分岐条件2:「半導体B」を「029半導体B置き場」と設定
ウィンドウ最大化から詳細設定に入り、作業員にチェックを入れて、人数を「100人」と設定
半導体A側
014 半導体A置き場:
容量を「1000個」と設定
015 半導体A検品:
下図のようにウィンドウ最大化から詳細設定に入り、
不良品率を「10%」と設定
作業員にチェックを入れて、1人当たりの処理時間を「1分」、人数を「50人」と設定
016 半導体A選別:
下図のようにウィンドウ最大化から詳細設定に入り、
分岐条件1:「正常:半導体A」を「017半導体A合格品置き場」、
分岐条件2:「不良:半導体A」を「025半導体A不良品置き場」と設定
作業員にチェックを入れて、1人当たりの処理時間を「1分」、人数を「50人」と設定
半導体B側
029 半導体B置き場:
容量を「1000個」と設定
030 半導体B検品:
不良品率を「10%」と設定
ウィンドウ最大化から詳細設定に入り、作業員にチェックを入れて、1人当たりの処理時間を「1分」、人数を「50人」と設定
031 半導体B選別:
分岐条件1:「正常:半導体A」を「032半導体B合格品置き場」、
分岐条件2:「不良:半導体A」を「039半導体B不良品置き場」と設定
ウィンドウ最大化から詳細設定に入り、作業員にチェックを入れて、1人当たりの処理時間を「1分」、人数を「50人」と設定
出荷と廃棄ブロック:
半導体Aの合格品側
017 半導体A合格品置き場:
容量を「1000個」と設定
018 半導体A行先別仕分:
分岐条件はデフォルト設定(ランダム)
ウィンドウ最大化から詳細設定に入り、作業員にチェックを入れて、1人当たりの処理時間を「1分」、人数を「50人」と設定
019 X工場向け半導体A置き場:
容量を「1000個」と設定
020 運搬(人):
最大積載量を「100個」、人数を「10人」、搬送時間(片道)を「5分」と設定
021 X工場向け出荷:
特に設定なし
022 Y工場向け半導体A置き場:
容量を「1000個」と設定
023 運搬(人):
最大積載量を「100個」、人数を「10人」、搬送時間(片道)を「5分」と設定
024 Y工場向け出荷:
特に設定なし
半導体Aの不良品側
025 半導体A不良品置き場:
容量を「1000個」と設定
026 運搬(人):
最大積載量を「100個」、人数を「10人」、搬送時間(片道)を「5分」と設定
027 破壊:
加工パターンを2つ設定
パターン1:
対象品目の名称を「半導体A」、個数を「1個」と設定、
出力品目の名称を「廃棄品」、個数を「1個」と設定
パターン2:
対象品目の名称を「半導体B」、個数を「1個」と設定、
出力品目の名称を「廃棄品」、個数を「1個」と設定
ウィンドウ最大化から詳細設定に入り、作業員にチェックを入れて、1人当たりの処理時間を「1分」、人数を「10人」と設定
028 破棄:
特に設定なし
半導体Bの合格品側
032 半導体B合格品置き場:
容量を「1000個」と設定
033 半導体B行先別仕分:
分岐条件はデフォルト設定(ランダム)
ウィンドウ最大化から詳細設定に入り、作業員にチェックを入れて、1人当たりの処理時間を「1分」、人数を「50人」と設定
034 Y工場向け半導体B置き場:
容量を「1000個」と設定
035 運搬(人):
最大積載量を「100個」、人数を「10人」、搬送時間(片道)を「5分」と設定
036 Z工場向け半導体B置き場:
容量を「1000個」と設定
037 運搬(人):
最大積載量を「100個」、人数を「10人」、搬送時間(片道)を「5分」と設定
038 Z工場向け出荷:
特に設定なし
半導体Bの不良品側
039 半導体B不良品置き場:
容量を「1000個」と設定
040 運搬(人):
最大積載量を「100個」、人数を「10人」、搬送時間(片道)を「5分」と設定
シミュレーション
以上のプロセス配置と設定が終わったらシミュレーションを行います。先ずはシミュレーション時間を「300分」としてシミュレーションを行います。シミュレーションが終わるとダッシュボードが表示されるので、左下のサマリーから結果を選びます。適切に設定できていれば、以下の様なシミュレーション結果(累積生産推移、生産推移、生産数、生産割合)が表示されます。*分岐や不良品発生にランダム変数が含まれるため毎回結果が異なり一致はしません。

シミュレーション開始直後はプロセス間の作業や運搬などに時間が必要なため、後の時間と比べて出荷量が低くなっています。また、不良品の発生にランダム変数を含むため設定よりやや多いですが、10%強の不良品が発生して廃棄されていることが分かります。
さらにシミュレーションの実行時間をデフォルトの300分(5時間)から600分(10時間)へ変更してシミュレーションを行ってみましょう。

こちらも300分のシミュレーション結果と同様に結果を得ることが出来ました。このようにassimeeではシミュレーション時間を変更して気軽にシミュレーションを繰り返すことが可能です。
まとめ
今回の記事で解説したようにassimeeでは、様々なプロセスを組み合わせることで、半導体の製造ラインを始めとした複雑な製造プロセスをPC上に簡単に再現することができます。また、1度モデルを作成すれば、パラメーター設定を変えながら、何度でもシミュレーションを行うことが可能です。
assimeeでは、実際の製造プロセスをモデル化したシミュレーションや、既存のVSM(バリューストリームマップ、物と情報の流れ図)を活用した直接的なシミュレーションが可能です。これにより、製造プロセスの「見える化」を実現し、潜在的な課題を明確にすることができます。製造プロセスのデジタル化や課題解決にお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。