動画「在庫と処理時間最適化」の解説

2023年6月30日公開

概要

今回はYouTubeにて公開している最適化動画「在庫と処理時間最適化」の解説を行います。この動画では出荷計画を達成するために在庫容量と作業の処理時間の最適化(モデルチューニング)を行っています。記事ではassimeeによるモデルの作成とその設定、モデルチューニングの操作方法を中心に解説していきます。

モデル

今回使用するのは以下の通りで、小規模な物流倉庫や工場を想定したモデルです。分岐などを想定しない1本道で入荷→置き場→加工→置き場→作業→運搬→出荷の各プロセスからなります。以下が完成したモデルとなります。

図 工程モデル

モデルの作成と設定一覧

モデルを作成していきます。「図から作成する」をクリックして編集画面を立ち上げ、各プロセスを入荷→置き場→加工→置き場→作業→運搬→出荷の順に配置した後、各プロセスに対して以下のような設定を行います。

入荷プロセス:
パーツ名を「部品」へ変更、発生間隔を「1分」、個数を「20個」と設定

置き場プロセス:
プロセス名称を「置き場A」へ変更、容量を「1000個」と設定

加工プロセス:
処理時間を「1分」、作業人数を「2人」と設定、
対象パーツ名称を「部品」、個数を「10個」と設定、
出力パーツ名称を「製品」、個数を「1個」と設定

置き場プロセス:
プロセス名称を「置き場B」へ変更、容量を「100個」と設定

作業プロセス:
プロセス名称を「梱包作業」へ変更、処理時間を「1分」、作業人数を「2人」と設定

運搬プロセス、出荷プロセス:
変更なし

工具交換時間の追加

初期設定では入庫した部品はすべて加工されて出荷されるため、在庫は大きな意味を持ちません。そのため加工プロセスに工具交換時間を設定することで、生産の止まる時間を生じさせ、初期設定と比べて在庫が有効に機能するようにします。加工プロセスの詳細画面を呼び出し、以下の変更を加えます。

図 工具交換時間の設定

今回は分かりやすくするため90分に1回の割合で、30分間の工具交換時間を設定し生産が停まるようにしました。

シミュレーション

設定を行ったら、モデル名を「工程条件最適化」として保存を行って、シミュレーションを行ってモデルを確認します。上記の設定が問題なく行われていれば、下図のような結果が表示されます。90分に1回の割合で30分間の工具交換が入るため、その時間帯は生産が落ち込むようになっていることを確認してください。

図 シミュレーション結果

処理時間と在庫の最適化

出荷目標の設定

最適化を行う前に出荷目標を設定します。今回、読み込ませるデータは以下の表の通り60分で90個ずつの出荷を継続する形とします。

time item count
60 製品 90
120 製品 90
180 製品 90
240 製品 90
300 製品 90

この時csvファイルの内容は以下の通りとなります。


time,item,count
60,製品,90
120,製品,90
180,製品,90
240,製品,90
300,製品,90

作成したファイルは編集画面を開き出荷プロセスに読み込ませます。再度シミュレーション画面を再度呼び出すと以下の画面が表示されます。シミュレーション結果に出荷目標が追加されました。

図 出荷目標の追加

今回のモデルでは部品の交換時間を設定することで生産の落ち込みが生じ、生産が出荷を下回る時間帯が生まれます。担当のあなたは、在庫を使ってこの落ち込みを埋め出荷目標を達成できるように処理時間や在庫の容量などを決定する必要があります。assimeeでモデルをチューニングすることで出荷目標を達成できるかどうか確かめてみましょう。

モデルチューニング

「モデルチューニング/見える化」タブをクリックすると以下の画面が表示されます。

図 モデルチューニングメニュー

出荷目標を設定していれば、「新規モデルチューニングを実施」ボタンが有効になっているので、ボタンをクリックすると、モデルチューニングを行うパラメーターを設定する画面が立ち上がります。

図 モデルチューニングパラメーター一覧

今回は梱包作業の処理時間と、置き場B(加工と梱包作業の間)の在庫容量をパラメーターとして最適化を行います。

最適化の下限値と上限値を以下のように設定します。
梱包作業の処理時間:下限を「1」、上限を「3」
置き場Bの在庫容量:下限を「1」、上限を「150」

設定が終わったら「モデルチューニング実行」ボタンを押してモデルチューニングを行います。

図 モデルチューニングパラメーター選択

モデルチューニングが終了すると以下の結果が表示されます。

図 モデルチューニング終了

図 モデルチューニング結果

この時、モデルは次のように変更されました。*なお、最適化にはランダム変数を用いているため、動画とチューニングの結果が一致していません。

処理時間:「1」が「1.3」へ
置き場Bの在庫容量:「100」が「134」へ

図 チューニング後モデル

これにより、今回、担当のあなたがこの工程の生産計画を立てる場合、梱包作業と加工後の在庫(置き場B)の見直しで、出荷目標を達成できることが分かります。

まとめ

今回は、YouTubeにて公開している処理時間と在庫の最適化動画の解説を行いました。別途公開している人員計画最適化の動画記事の方もぜひご覧ください。

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