ライン生産方式でのプロセス最適化の解説

ー概要ー

今回の記事では前回作成した以下のモデルに対してプロセス最適化を行う方法について解説します。

ー最適化の準備ー

モデルのパラメーター入力や修正

まず、前回作成したモデルのパラメーターの一覧を修正します。モデルの詳細タブから編集画面を呼び出し、右下の青い表マークをクリックします。

クリックすると以下の画面が表示されます。

入荷プロセスの入荷数(発生個数)、作業プロセスの処理時間、検品プロセスの処理時間と故障率をパラメーターとして利用できます。今回は、簡単のため作業プロセスの処理時間だけをパラメーターとした最適化を行います。最適化の効果を分かりやすくするため、処理時間を1分から10分に変更します。これにより、製品1つに必要な作業の処理時間が10倍となる一方で、出荷量が10分の1に減ります。編集完了ボタンを押して編集画面を終了し、モデルのシミュレーションを再度行い、想定通りに出荷量が減っているかを確認します。

  • 処理時間1分の場合(修正前)

300分で297個の製品が出荷されます。

  • 処理時間10分の場合(修正後)

300分で29個の製品が出荷されます。

出荷量が10分の1へ減っていることが確認できました(入荷プロセスの立ち上がりのための時間などもあるので出荷はぴったりした数字にはなりません)。

データファイルの用意と読み込み

次に最適化する目標を設定したcsvファイルを用意します。今回のモデルでは製品(item)としてpartA(デフォルト名)が出荷されています。時間(time)後にどれだけの量(count)の製品が出荷されるのかの目標をここで決めます。今回は60分刻みで、300分後までの出荷量の目標を決めます。

timeitemcount
60partA10
120partA15
180partA15
240partA15
300partA20

*上記の表を以下の様にカンマ区切りとしたものをcsvファイルとして用意してください。

time,item,count
60,partA,10
120,partA,15
180,partA,15
240,partA,15
300,partA,20


ファイルを用意したらデータを登録します。モデルチューニングタブに移動すると下の様にデータの登録画面が表示されます。「モデル編集ページで出荷データを入力」をクリックすると編集画面に移動し、出荷のプロセスにcsvファイルで出荷目標を追加することができます。編集画面で出荷のアイコンをクリックし詳細設定にある「目標値をcsvでインポート」を押すことでもファイルをアップロードすることができます。

上で作成したcsvファイルを読み込ませ「ファイル登録」ボタンを押して登録し、編集完了ボタンを押し保存します。

登録したらファイルが正しく読み込まれているかを確認します。シミュレーションタブに再度移動しモデルのグラフに読み込ませたデータが下図の様に追加されているか確認してください。追加されていなければファイルがうまく読み込めていないので、再度登録操作を試してください。追加されていれば、チューニングの準備は終わりです。チューニングタブを押し最適化を行います。

ー最適化ー

モデルチューニングの実行

データを追加した後、モデルチューニングタブへ移動すると「モデルチューニング」ボタンをクリックできるようになります。クリックするとモデルが表示されますが、このままではどのパラメーターを最適化するのか決まっていないので、最適化が実行できません。最適化するパラメーターとパラメーターの移動範囲を設定します。

表示されているモデルから作業アイコンをクリックします。クリックすると、最適化できるパラメーターとして処理時間が表示されます。

チェックボックスにチェックを入れて、パラメーター(処理時間)の移動範囲を決めます。初期設定値10の周りで最適化を行うように5から15まで範囲が自動設定されていますが、ここでは範囲を1から15へ変更します。

変更を行ったらチューニングを開始するボタンをクリックします。最適化が行われるので、終了したらシミュレーションタブへ移動すると、結果が表示されます。

最適化結果の確認

結果を見てみましょう。最適化前、作業プロセスの処理時間が1分の場合には297個、処理時間10分の場合には29個が出荷されました。一方で、csvファイルでは300分後までに75個を出荷する目標が設定されています。今回は出荷目標を達成するように処理時間を最適化を行ったことで、作業の処理時間が10から3.98へ変更され、300分で74個の製品が出荷されるようになったことが分かります。

また、チューニングでは複数の設定での計算が行われるため結果を比較することも可能です。モデルチューニングタブで右側のボックスの中から異なる数字の結果を選択することで、別の結果を確認することができます。例えば61を選択すると、下図の様に表示が切り替わり、300分後に82個を出荷するための処理時間の設定(3.61)が得られることが分かります。今回はの例では、プロセスが単純でパラメーターが1つしかないため最適と考えられる結果は1つしか得られませんが、複数のパラメーターが存在する場合は複数の最適な結果が得られる可能性があります。

ーまとめー

簡便化したライン生産方式を例に挙げて、assimeeを活用したプロセスの最適化について全3回で表を使ったモデルの作成からシミュレーションの実行、最適化の実行まで解説しました。今後は更に複雑なモデルや複雑な最適化の設定に関する実例について解説します。ご期待ください。

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